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食卓 ページ21
帰ってきた私はリビングのテーブルを二度見した。
そこにあるのはどう見ても木櫃で。
そこにあるのはどう見ても。
「ちらし寿司!?」
椎茸の甘煮と桜でんぶで作られた桜の木の周りには錦糸玉子の菜の花畑。青菜の緑も目に鮮やか。
すげぇ完成度だな!
というかお櫃なんてあったっけ。
「あ、このお櫃は魁さんのお母さんから餞別だって」
「心を読むな」
随分立派なもんくれたな。
「でもお櫃なんて使い方わからんぞ。それこそちらし寿司くらいしか」
「そこについては僕に任せてよ。なんと、お櫃は夏に炊いたお米を保存するのにぴったりなんだ。炊飯器よりも長持ちするんだって」
「なんだその女子力高そうな発言は」
世話好きスキルの一環か。すげぇな。
「で、なんでちらし寿司?」
「二人暮らし記念」
「本音は?」
「魁さんと一つ屋根の下がとっても嬉しい記念」
「交番はここを出て右に行った突き当たりだ」
「ひどくない?」
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作者名:瑠色 | 作成日時:2019年5月15日 23時