22話 ページ24
浪速警察病院には大量のパトカーと救急車が停まり、未来子をはじめ爆発でケガを負った人たちが運び込まれていた。
私たちは診察室の前の椅子に座って、未来子の診察が終わるのを待っていた。
すると、一番端の診察室の扉が開いて、額にガーゼを当てた阿知波会長が出てきた。
秘書とボディガード、そして洋服に着替えた紅葉が歩み寄る。
秘書「会長、いかがでしたか?」
阿知波「ああ、何ともない、単なるかすり傷や」
秘書「よかった」
紅葉「大会直前にこんなじけんに巻き込まれるなんて」
阿知波「これで長年続いた皐月杯も中止せなあかんかもしれんなァ」
紅葉「そんなんあきません!」
その声の大きさに何事かと目を向ける。
紅葉「こういうときやからこそ、皐月会健在をアピールすべきやと思います!」
阿知波「だが・・・決勝戦で使用される皐月会のかるたも燃えてしまったからな」
紅葉「そのことやったら心配いりません。かるたは無事です」
阿知波「なんやて!? そ、そらどういう・・・」
秘書「避難する際、枚本さんが持ち出してくれたんですよ」
阿知波「み、未来子君が・・・」
紅葉「かるたが燃えてしもたのならともかく、無事やったんですから」
阿知波「ホンマか?! ホンマに皐月会のかるたは無事やったんか!!」
紅葉「そ、損害がないか確かめる為、博物館の職員が持っていかはりました・・・」
秘書「会長。かるたはもう大丈夫です、ご安心ください」
阿知波「あ、ああ・・・もうあかんと思ったがよかったわ・・・
で、皐月会のかるたを救ってくれた未来子君は?」
秘書「命に別状はないと聞いていますが」
紅葉「まだ診察中みたいで・・・」
秘書と紅葉が揃って診察室を振り返り、私達は、さりげなく視線を外した。
蘭「未来子ちゃん、遅いね」
和葉「応急処置するだけやって、お医者さんは言うてたけど・・・」
A「・・・・・・」
診察室の扉が開いて、未来子が出てきた。
A「未来子!」
椅子から立ち上がって、未来子の右腕が三角巾で吊られているのに気づく。
A「その腕、」
未来子「うん、折れてしもてるみたいや。バチが当たったんやわ」
和葉「そんな・・・」
未来子「かるた取りに行って、和葉や服部君、A、香宮君を危ない目に遭わせて・・・」
A「何言ってんの?」
落ち込む未来子をなぐさめようとすると、阿知波会長が歩み寄ってきた。
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ゆん(プロフ) - オリキャラカップル大好きなんです!作ってくださりありがとうございます!! (2022年1月18日 18時) (レス) @page2 id: 565e409edc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:togetumizu319 | 作成日時:2018年4月30日 11時