ツナマヨ、 ページ10
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棘くんの呪言と私の銃弾でなんとか距離を取りながら森から出た。
(……いや、私の攻撃はほとんど効いてない。棘くんへの負担があまりにも大きすぎる)
ギリ、と歯を食いしばる。
どうにかしなきゃ、……どうにか。
すると下に見えたのは
「狗巻先輩とA先輩!?」
「伏黒くん……っ!」
「 逃 げ ろ 」
恐らく戦闘中だった伏黒くんと加茂さん。
合流して正解だとは言えない。
なんとか彼奴を倒すか、足止めする時間を稼がなきゃ。取り返しのつかないことになる。
でも、私にそんなこと……。
(出来るかなんて、関係ない)
無駄な思考はすべて振り払って、ただ今は集中しなければ。
「何故高専に呪霊がいる。帳も誰のものだ?」
「多分その呪霊と組んでる呪詛師のです」
「?…なにか知っているのか?」
ゲホ、と棘くんが小さく咳をする。
恐らくダメージは大きい。
棘くんに無理はさせられない。
「棘くん、喉…」
「しゃけ」
に、と柔らかく笑う。
まるで私を安心させるように。
しかし私はひどく焦っているのだ。
あの夏の日と似ている、今の状況に。
「以前、五条先生を襲った特級呪霊だと思います。風姿も報告と近い。」
「ツナマヨ」
「そうですね、五条先生に連絡しましょう」
「うん、そうだね…」
「ちょっ…と待て。君たちは彼が何を言っているのか分かるのか?」
「今そんなことどうでもいいでしょ。相手は『領域』を使うかもしれません。距離をとって五条先生の所まで後退___」
「っ、!」
刹那、目にも留まらぬ速さで距離を詰めて来た呪霊に、皆がはっと目を見開いた。
(焦るな……落ち着け)
「動くな」
棘くんの言葉に、呪霊はピタリと動きを止めた。
直ぐに私たちは攻撃をするも、やはり効いている様子はない。
(どうしたらいい、)
《やめなさい 愚かな児等よ》
ふと、頭に流れ込んでくる言葉。
《私はただ この星を守りたいだけだ》
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ノω・、) ウゥ・・・ - 面白かったァ(´;ω;`)後日談求む (2023年4月27日 16時) (レス) @page19 id: 6fd33d2e78 (このIDを非表示/違反報告)
花瓶 - この小説一気読みしました!すごくおもしろいです!!もう真夜中に泣いちゃいました、、、(´;ω;`) (2022年3月19日 23時) (レス) @page19 id: 0f43647906 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 凛櫻さん» ありがとうございます!素敵だと言っていただけて感無量です!コメント本当にありがとうございました…! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 癒姫さん» わああ泣いてくださったとは…!そう言って頂けてとても嬉しいです!コメントありがとうございました…! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
凛櫻 - 完結おめでとうございます!素敵な作品をありがとうございます! (2021年1月23日 14時) (レス) id: c829f486b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向 | 作成日時:2020年12月27日 21時