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pink side〜
そうやって遊んでいれば、目を覚ました元太くんも海斗くんの傍に降りてきて、レゴで遊び出したから、俺は静かにソファに戻った。
みんなが一生懸命にレゴをしているのをウトウトとしながら見守っていたんだけれど、海人の、おい!、なんて怒ったような声でハッ、と目が覚めた。
緑「…これ、ぼくが遊んでたの!」
橙「…っひ、!」
海斗くんは、海人の大きな声にビクッと身体を震わせて部屋の隅で耳を塞いだ。
凄く怒った様子の海人と、海人を睨みつける元太くんと、その二人の間でオロオロと困っているちゃかちゃん。
桃「…ちゃかちゃん、何があったの?」
そう聞けば、えっとね、と小さな口を開いた。
赤「…げんたが、かいとが遊んでたおもちゃ取った、」
桃「…なるほどねぇ、」
あまり集団行動をしてこれなかった元太くんは、“人が遊んでいる物を取ってはいけない”なんて当たり前の事を知らない。
きっと元太くんにとっては、理不尽に海人が怒ってるように思えてるのかも知れない。
と、その時。
ガチャン!
元太くんが思い切り、レゴを窓ガラスにぶつけた。
その衝撃で、窓ガラスにヒビが入る。
_____________
『…本当に、龍也はなんにも出来ない子ね、』
「…ぃたいっ、……ごめ、なさい、…おかぁさ、…!」
____________
桃「…はっ、ふっ、……はぁっ、」
随分と久しぶりに、思い出したくもない過去が次々と蘇ってきて、どうしても息が出来なくなる。
緑「…ゃ、ごめんなさ、…ごめんなさいっ、!」
過呼吸を起こしてしまった海人と、耳を塞いでじっとしているちゃかちゃんと、隅で震えている海斗くんの姿が見えて。
如恵留もしずも仕事で、この部屋には俺しかいないんだから。
…俺がしっかりしなくちゃ。
震える身体を抑えて、ちゃかちゃんを和室へ連れて行って、タオルケットで包んであげて、リビングに戻る。
桃「…っ、」
あれ。
…次は、次はどうしたら良いの?
どうにも言い表せない不安が襲ってきて、身体が動かなくなる。
堪らずに、上の棚に置いてある薬に手を伸ばした。
最近は、殆ど飲んでなかったのに。
薬を3錠、シートから外してそれを水でながしこめば、何故か俺の頬を涙が伝った。
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猫(プロフ) - 紗彩さん、こんばんは!そうです。前にマシュマロが送れなかった猫です(恥)更新ありがとうございます!これからも無理なく頑張って下さいねー! (2022年6月8日 20時) (レス) id: f376f4b930 (このIDを非表示/違反報告)
紗 彩(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます…!ソラノムコウも一緒に楽しんで下さって何よりです!これからもお付き合い頂ければ幸いです!!(この前にコミュ下さった方かな……違ったら申し訳無いです…) (2022年6月8日 20時) (レス) id: f7d9789c70 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - ソラノムコウと共に楽しく読ませて頂いてます。更新無理せず頑張って下さい。応援しています! (2022年6月2日 17時) (レス) id: f376f4b930 (このIDを非表示/違反報告)
紗 彩(プロフ) - genさん» コメントありがとうございます!更新頑張っていきますので、お付き合いいただければ幸いです! (2022年5月26日 22時) (レス) @page13 id: f7d9789c70 (このIDを非表示/違反報告)
gen(プロフ) - これから松松がどうなっていくのか続きが楽しみです! (2022年5月26日 19時) (レス) id: 2b5061a1a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗彩 | 作成日時:2022年5月15日 21時