提案 ページ2
「……ていうことがあったんだよね」
「ふーん」
翌日の通学途中。昨日のことがあまりにもショックだったのでいつも一緒に登下校する親友に話すと、薄いリアクションが返ってきた。もう少し興味を示してくれてもいいんじゃないかと思う。
「A、そんなにその……何だっけ、よもぎさん？の実況が見たいの？」
「実況は勿論見たいけど、スレが消えてたからそれは諦めたよ。けど結果だけはどうしても知りたいの！だって、二週間前からずっと楽しみにしてたんだよ！？物音の正体は何だったのか、正体を知ったよもぎさんはどうなったのか！」
「あー、うん、分かったから、声量抑えて」
興奮するあまり声が大きくなってしまった。親友に窘められ、思わず口元を抑える。
周囲に人がいないか確認して、言われた通り声量を下げて話を続ける。
「……でも、さっきも言ったけどどれだけ検索してもよもぎさんに関する情報が見つからなくて……もうお手上げかなあ」
「じゃあ、スレに書き込んで聞けば？その方が手っ取り早いでしょ」
「え？」
弱気な発言をした私に親友が言い放ったのは、私が全く考えつかなかったことだった。
直接書き込む。そうだ、その手があった。どうして彼女に言われるまで思いつかなかったのだろう。
「流石美玖！こんな妙案を思いつくなんて！」
「もっと褒めてくれても良いんだよ」
「相変わらず変なところで頭が回るなあ！」
「おいこら」
それ褒め言葉じゃないから、と頭を小突かれた。
まあ何にせよ、親友の貴重な提案だ。家に帰ったら早速書き込んでみよう。
放課後、今日も部活が休みだったため真っ直ぐ家に帰って来た私は、背負っていたリュックをベッドの上に投げ、着替えるより先にパソコンの前に座った。
オカルトサイトを開き、「自分の恐怖体験を語るスレ その6」を探す。情報収集専用のスレッドもあるが、消えてしまったスレッドと同じシリーズのスレッドの方が情報が集まりやすいだろう。
「『どなたか、よもぎという方を知りませんか？二週間程前に“居間の方から妙な物音がする”と、このシリーズの五番目のスレに書き込んでいた方なのですが……』……文面はこんな感じでいいかな。よし、投稿！」
右クリックを二回すると、書いた文面が投稿された。時間帯的にまだ人が少ないから、時間を置いてこのスレッドを開こう。
その間私はテスト勉強だ。まだ先とはいえ、期末試験というのもあって範囲が広い。何とか赤点は避けたいところである。
やめろ
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絹ごし(プロフ) - みるくがーるさん» ご感想ありがとうございます！作品を楽しんでいただけたなら嬉しいです！ギミックですが、ドラッグと言えば伝わりますでしょうか？ギミックは作品の至る所にありますので、是非随所でドラッグをお試しください。 (2020年7月30日 15時) (
レス) id: 4bc34f0b9f (このIDを非表示/違反報告)
みるくがーる - ギミックとやらが分からないです…でも、お話は凄い怖くておもしろかったです！ (2020年7月30日 6時) (レス) id: e8907ac6ff (このIDを非表示/違反報告)
絹ごし(プロフ) - 斜陽さん» 感想ありがとうございます！作者側だと怖いかどうか分からないので、そう言っていただきとても嬉しいです！ギミックについてですが、一番最後のページに詳細を追加しましたので、お手数ですがそちらをご覧ください。応援も嬉しいです、ありがとうございます……！ (2020年7月29日 18時) (レス) id: 4bc34f0b9f (このIDを非表示/違反報告)
斜陽(プロフ) - コメ失礼します。前作「床下の古井戸」も見させて頂きました。正直とても怖くて夜に見るんじゃなかったと後悔しています…。ギミックで鳥肌立ちました。よければどうやるのか教えてくれると嬉しいです！長文失礼しました、これからも応援させて頂きます。 (2020年7月28日 21時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
絹ごし(プロフ) - ずんだ猫。さん» ご感想ありがとうございます！ギミックはこの作品で一番こだわったところなので、楽しんでいただけたなら嬉しいです！作品を作る頻度は低いですが、自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年7月25日 23時) (レス) id: 4bc34f0b9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絹ごし | 作成日時：2020年7月24日 17時
