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第九戦 「南国の少女」 ページ28

「藤乃ちゃん!」


観覧車から降りた直後、自分の傍にいた少女に向かって名前を呼ぶ声がした

声のした方を見ると二十後半ぐらいの男女と朱里がいた


「ママーパパー!!」


そう言い藤弥の手を掴んでいた手を離して両親の方へ走って行った


「藤乃?」

「そ、あの女の子の名前らしいよ?女体化した藤弥かな?」

「言うな」


そんな偶然もあるんだねー、と朱里は呟いた

藤弥はそれに頷いた

 少女を抱きかかえた父親が2人にお礼の言葉を掛けに来た


「本当にありがとうございました、娘を見てくださいまして」

「いえいえ、気にしないでください」

「おにーちゃん、おねーちゃんバイバイ!」


小さな手を振って来る少女に朱里は大きく、藤弥小さく手を振り返した

最後に少女の母親がお辞儀したあとその家族は人ごみの中に消えて行った


「はー……もう夕方だが、目的地に行くのか?」

「ん?元々目的地なんてないよ??」

「はあ!?」


朱里の発言に藤弥は怒ったような呆れたような声を上げた

そして彼女は笑って藤弥を見上げた


「藤弥とお話したかったんだ、ジュースでも飲みながら話そうよ」


笑顔を絶やさないまま朱里は静かに告げた

 人が帰って行った静かな公園で缶ジュースを片手にベンチに腰掛けた2人

最初に声を発したのは朱里だった


「元々あたしが藤弥を呼びだしたのは大和と桜から守るためだよ」


藤弥は最初から朱里の言葉に驚きを隠せないでいるが

話の続きを聞くため黙っていた


「昨日言った通りあたしは首都に興味はないけど

今の首都になることに執着したあの2人に首都になられるのがいやなんだ

でも、あたしが首都になるのには無理がある

それでね、藤弥に精神的に休んで貰いたくて今日、一日付き合ってもらうことにしたんだー」

「……確かに、忘れていた」


思い出したこともあった、藤弥はそう思ったが言葉には出さなかった


「負けないでよ、期限はもうすぐで2人共本気だから」

「ああ、分かってるよ」


最後の彼女の表情は笑顔ではなく、真剣そのものだった

藤弥もそれに釣られるように険しい顔になった


















文化祭、二日前

準備も大詰めの中、藤弥は独りで体育館の音響確認をしていた

確認を終え、音響室から舞台を通って出ようとした時

舞台の正面に大和が立っていた


「俺と勝負してや」


彼はそう言い、藤弥を鋭く睨みつけた

第十戦 「二人の違い」 暴力・流血注意→←第九戦 「南国の少女」


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緋寄@紅鬼姫(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。はい、僭越ながら参考させて頂いています。 (2016年12月10日 23時) (レス) id: a5647f01ce (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - これってよとしち学園の漫画を参考にしていますか? (2016年12月5日 22時) (レス) id: 3aaa89a69c (このIDを非表示/違反報告)
緋寄@紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 見ためヤンキーw3人でたまってたら寄りつき難いでしょうねw (2016年7月27日 21時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)
サシャ - ありがとうございます!この3人は見た目だけヤンキー(笑) (2016年7月19日 0時) (レス) id: d7042e5317 (このIDを非表示/違反報告)
緋寄@紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 「物語」か「後夜祭」でほのぼのはやります!後夜祭では都道府県たちの演劇と模擬店などの様子をやるのでおそらくその時にしますね! (2016年7月17日 20時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鬼姫 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Enphnium  
作成日時:2016年4月30日 21時

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