特訓 ページ9
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前話の続き
雑に目元を拭っては、どうして私に知らせたのか。そういう意図を込めた視線を五条に送れば、あぁ、と頷きながら虎杖と肩を組む五条。
「Aには悠仁の特訓してもらおうと思って!」
「は」
イェーイとピースを向ける五条と、至極嫌な顔をして扉へと向かう。
「え、ちょ、どこ行くの?」
「遠慮します。今までも先生がご指導なさってたんですから、私が手出しすることもないで
しょ」
「えー?Aに拒否権なんてないんだけどなぁ…」
「そーいうのいいですから。このことは学長にお話させて頂きま…」
「1週間」
「は?」
早口に"お願い"を拒否しては足早に出ていこうとするAの背中にそう声をかけた五条。
振り返ったAにニイッと口角を上げてはさらに言葉を続ける。
「1週間だけでも悠仁を特訓してくれたら、一つだけ、Aの我儘なんでも聞いてあげる」
「…」
「どう?悪くないでしょ??」
交換条件として持ちかけられたソレにピクリと耳が動く。
「なんでも?ひとつ?我儘を?」
「そう」
「…やりましょう」
「(えー)」
虎杖が二人の会話を聞いて少しだけ心配になったのは言うまでもなかった。
______
「違う、そうじゃない」
「っくぅ〜!もう1回!お願いしまっす!」
「…当たり前」
体術と呪力を合わせた特訓。
2年生の中でもトップレベルの呪力量と体術スキルを持つAと、呪力に関してはまだ赤子並みでもゴリラ並の力を持つ虎杖。
Aに課せられた仕事は、"虎杖が呪力と体術をかけあわせて使える"ようにすること。
最近までは五条が行っていたことだったが、交換条件と共にAが引き受けることになった。
「違う、そうじゃないって」
「どぅわ!……っく〜!なんでだぁ?」
「…ふむ、」
少しでも呪力の拳への乗せ方を間違えれば、容赦ない蹴りがとんでくる。
その光景を端で見ていた五条が「1回休憩ね〜」と言い手を叩く。
「っふぅ、」
「先輩、強いんだね!」
「ん?そうかな、」
「っす!五条先生とやってたから分かったんだけど、体格差さえなければ五条先生と同じぐらいの拳の重さだったよ!」
「……う〜ん…悠仁が言うなら、少しは自信を持とうかな」
虎杖の言葉に、隣に座る五条の顔をチラリと見上げる。
サングラスの奥に見えた瞳と視線が合うと、すぐに視線を逸らし、虎杖の言葉に返事をする。
「(なんか……すごい見られてたな…)」
………
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雪 - 更新待ってます...! (2020年11月7日 11時) (レス) id: 8ab799c49a (このIDを非表示/違反報告)
ささまめ。(プロフ) - 豆腐さん» あ!ありがとうございます!!すぐに訂正しますね!!! (2019年11月8日 19時) (レス) id: 953be4ace3 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - 優太ではなく憂太ですよ (2019年11月1日 11時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ささまめ。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2019年7月25日 18時