届けたい想い～２～ (ページ3)

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美鈴ｓｉｄｅ

「今まで、私なりに、
　彼等との距離感を考えて過ごしてきたつもりでしたが、
　最近、その距離感が、近くなってることも感じていました。
　今回のことは、すべて、私の自覚の甘さが、招いたことだと思っています。」

私は、一礼して、話を続けた。

「社長が話されたことも、ちゃんと受け止めるべきことだと思います。
　ですが、私がこんな言い方するのは間違っているのかもしれませんが、
　どの居場所に存在していても、
　多少の違いはあるかもしれませんが、起こりうることじゃないでしょうか？
　だからと言って、
彼たちの頑張ってきた時間と居場所を守りたい気持ちと、
　私の存在してる居場所を壊せないと思ってしまう私には、
　彼と一緒に歩いていける選択肢は、ありません。」

こんなことになって、初めて気付く彼への想い。

最後、無意識に、彼とって口にした私に、社長は、気付いたみたいで、

社長「僕、個人としては、
　君の心の中に、大切にしたい想いがあるなら大切にしてほしい。
　けど、社長としての僕は、
　彼等にとって、プラスかマイナスか、
　ちゃんと考えて行動してほしいと思う。」

そう言って、優しく笑ってくれた社長の思いに、

「はい、ちゃんと向き合いたいと思います。」

ありきたりな言葉しか言えなかった。

社長「仕事の都合で、僕はこれで失礼するけど、
　これからのことは、統括マネ－ジャ－に任せているので、
　すまないが、退席させてもらうよ。」

「あ、はい。お忙しい中、ありがとうございました。」

私は、そう言って一礼。

その場にいる全員で、社長の退席を見届けた。

そして着席し、話は続いていく。