届けたい想い (ページ47)

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玉森ｓｉｄｅ

「・・・・・・・・・・」

何も返せなくて、俯いてる俺に、

柚希「ごめん、私、自分と重ねて、裕太の気持ち、考えてなかった。
　美鈴から、気持ち、聞いた訳じゃないから、
　中途半端に、無責任なこと言って、ごめん。」

自分と重ねたっていう柚希さんの言葉は、すごく響いてきた。

きっと、柚希さんは、間違った選択をしてほしくないと思ってくれたんだと思う。

柚希さんは、俺たちキスマイが結成された頃から知ってくれてるから、

俺たちの頼れるお姉さんだから、ほっとけなかったんだと思う。

俺は、柚希さんと話して、気持ちが落ち着いてきて、伝えた。

「俺が、気持ちに余裕なくて、追いつめられてたとき、
美鈴さんが癒してくれて、ずっと、一緒に歩いていきたいって思った。
隣にいてくれるだけで、
　あんなにも、満たされた気持ちになれることなかったから･･･
だから、安心して、
　そんな癒しの存在を、空間を、自分から手放すほど、愚かじゃないから。」

俺は、この時、素直にそう思えていたんだ。

俺の言葉に、ホッとした表情を見せた柚希さん。

柚希「よかった。
　私、夕食の手伝いしてくるね。」

「うん、おいしい料理、期待してる。」

柚希「今まで、おいしくなかったことあった？」

「なかった！」

柚希「でしょ？出来たら呼ぶから。」

「うん。」

俺は、柚希さんを見送って、シャワ－浴びて、部屋で休むことにした。

このときはまだ、美鈴さんに対する感情が、

自分が思ってるより強く、あんなことになるなんて気づいていなかった。