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玉森ｓｉｄｅ
偶然、美鈴さん親子にあったあの日、
俺は、身に覚えのない記事のことで、事務所に呼び出された。
話題作りで、利用されることが多かった俺は、
正直、『またか』という感情しかなく、そんな状況に慣れてしまっていた。
事情を聞かれ、事務所の人たちは、納得してくれてたけど、
俺の気持ちは、仕事の忙しさと、睡眠不足で、疲れきっていた。
夜の街を歩きながら、雨には降られるし、最悪だと思ってたとき、
俺は、ずっと憧れてた美鈴さんに会った。
最初、俺に気づいたのは、息子の優弥くんだった。
正直、美鈴さんに子どもがいたことを知らなかったし、驚いた。
優弥くんは、『風邪ひくから』って、美鈴さんに訴えてて、
美鈴さんも、人目もあるし、俺の様子がおかしいって気づいてくれて、
俺は、美鈴さん親子のマンションへおじゃました。
美鈴さんは、タオルを手渡してくれて、おふろの準備へ。
リビングに戻って来て、立ちつくしたままの俺に、
「ほら、ちゃんと拭かないと、風邪ひきますよ。』って、
タオルで、俺の髪を拭こうとしてくれるんだけど、
身長の差で、つま先立ちになって、それでも届かなくて、その動作が、かわいくて、
『ﾌﾌ･･･』って、思わず笑ってしまったら、
『笑える元気があるなら、自分で拭いてください』って、恥ずかしそうにしてる。
俺は、渡されたタオルで、髪を拭きながら、気持ち、少し浮上していた。
そんな俺を見ながら、
『雨宿りしていってください。
気持ち落ち着いたら、タクシ−呼びますね。」
そう言って、優しく微笑んでくれる美鈴さんに、
俺は、ずっとそばにいてほしいと思った･･･。
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作者名：波瀬(Ｎａｍｉｓｅ) | 作成日時：2017年3月17日 23時
