☆ １２ ☆ ページ12
美鈴ｓｉｄｅ
携帯のメ−ルの着信音。
=太輔メ−ル=
こんばんは。太輔です。お店、予約できました。『ｓｋｙ』というお店です。
場所、見て分からなかった連絡してください。
=美鈴メ−ル=
こんばんは。浅倉です。連絡、ありがとうございます。
お店、行ったことがあるので分かります。でわ、後ほど･･･ 。
『ｓｋｙ』個室完備の雰囲気のいいお店。
お店のドアを開けると顔なじみのマスタ−が出迎えてくれた。
マスタ−は、亡くなった夫の親友で、高井晃介さん３７歳･･･かなりのイケメン。
優しい笑顔が素敵で、話しやすく、ファンが多い。
夫を亡くした当時、すごく支えになってくれて、
今でも、定期的に連絡をくれるんだけど、会うのは、ほんと久しぶり。
マスタ−「美鈴ちゃん、久しぶりだな。」
「ご無沙汰しています。」
マスタ−「元気そうで、安心したよ。」
優しい声で伝わってくる暖かさが嬉しくて、
「ありがとうございます。」
笑顔を見せて、マスタ−の優しい想いに包まれる。
マスタ−「今日は、一人？」
「あ、いえ、待ち合わせで。」
マスタ−「彼氏？」
笑顔で聞いてくるマスタ−に、
「いえ、私なんか、仕事関係の人です。」
全力で、否定する (汗)
マスタ−「何だ、残念･･･」
マスタ−が、わかりやすいくらい落ち込む･･･。
と同時に、出入り口のドアが開き、
太輔「なにが、残念なの？美鈴さん、お待たせ」
「いえ、私も、今来たとこです。」
そんな二人のやりとりを見て、
マスタ−「何だよ、待ち合わせって、太輔だったのかよ？」
太輔「悪いかよ･･･っていうか、美鈴さん、知ってたの？」
「あ、はい、前に、よく通ってて。」
太輔「そうなんだ？」
マスタ−「個室、行くか？」
太輔「あ、うん。」
個室。注文を終えて談笑中･･･。
太輔「前に通ってたって、いつぐらい？」
「･･･５年くらい前までです。」
太輔「そっか、俺も、ここにはよく来てるから、会ってたかもね。」
「そうですね･･･。」
太輔「その頃の話って、あんまり聞かれたくない話だったりするのかな？」
「･･･少しずつ、気持ちの整理がついて、
やっと、想い出として綴っていけるようになったくらいなので、
まだ、言葉にするのは、つらいかなって思います･･･」
太輔「ごめん、誰にだって、ふれてほしくないことあるよね。」
わかりやすいくらい落ち込んでる藤ヶ谷さんに、戸惑っている私がいた。
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作者名：波瀬(Ｎａｍｉｓｅ) | 作成日時：2017年3月17日 23時
