【銀魂】狂愛兄貴と嘘彼氏【高杉】【銀時】

残り香 ページ34

ーーー銀時side

ピンポーン


「あ、誰か来……」


「俺が出る」


Aは仕事中だから来るはずがない。

そんな事わかっているのについつい何かを期待して、新八やらを押さえて玄関に出る始末。


ガラｯ！


『銀時、お邪魔しまーす』

『鳴らさなくていいっていつも言ってんだろー』


A…？



「すみませ―ん、私読売新聞なんですが」


「…………ウチは毎日新聞とってるんで」

何してんだよ、俺は！

Aと会わなくなってから１週間。どんな時でも何をしててもアイツの事ばっかり


ピンポンなりゃー反応する


玄関のドアが開いた音がしたと思えばアイツが来たんじゃねぇ―かって思う

自分が団子屋に行かなくなったくせして、アイツが来ることを期待してるんだ。

諦めようとしても、他の女なんて目に映らなくて…



「銀さん…」


「あ？」


玄関の前で立っていた俺は名前を呼ばれ振り向いた


新八と神楽が悲しそうな顔で立っている


「もしかして、最近元気ないのも…玄関にすぐ行くのもAが来なくなったからアルか？」



そうだよ。お前らは毎日団子屋でA会ってんだろ。

なのになんで。
どうして、そんな悲しそうな顔して聞くんだよ。



「Aさん、ここ数日ずっとボーッとしていて…僕らが理由を聞いても、“何もないよ”としか言ってくれなくて。」



「…別に俺もどうもできねェよ」


ポツリポツリと話す新八の言葉に、自嘲気味に笑い、呟く。

それに対して声を荒げたのは神楽。

「っ…銀ちゃんしっかりするアル！そんなだと、サドやマヨにとられるネ！」


「ちょ、神楽ちゃん！そんな言い方、」


「……」



怒っているのか、泣いているのかわからないような声で。それでも必死に訴えてくる。


「聞いてるアルか？何があったか知らないアルけど、肝心なことをちゃんと言えないで逃げてる銀ちゃんは、ヘタレな臆病者アル！」

核心をついた神楽の言葉に思わず身体がズンっと重くなった

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