境界ー過去編 ページ14
ーーー銀時side
「銀時、薬湯持ってきたんだけど飲める?」
びしょ濡れになって帰ってきた俺を心配したのか、ババアがAに連絡したらしい。
ズラと別れてから直ぐに帰宅して奥の寝室に籠っていた俺のもとへ、仕事を終えて訪ねてきたAが薬湯を持ってくる。
「俺、薬湯嫌いなんだよね―」
「飲まないと治らないよ?」
寝室の電気をつければ、Aの困ったような顔。
俺たちよりも3つ年下とはいえ、20になったAは十分美しい女性になっていた。
灯りに薄く照らされた肌は艶々しく、俺の中の修羅を思い出させる
ーーーお前は俺のモンだろ?
「高杉と…よく会ってんの?」
「うん。月1で連絡くるからね。」
「へえーアイツ本当にシスコンなのな。女癖は相変わらず?」
「…まーね」
冷たい表情、とは言えないけど、悲しそうとも捉え難い。決して嬉しそうではないけれど、怒っているようにも見えない。何を考えているのか分からない。何も感情が無いような、そんな表情。
「Aってさ…
高杉のこと好きだよな」
二人は、同じ血の通った本物の兄妹。
「大好きだよ。だってお兄ちゃんだもん」
塗り固められたかのような笑顔で。誰かにそう言えと命令されたかのような、台詞じみた口調と言葉を彼女は声にして笑ったのだ。
やるせなかった。苦しかった。見たくなかった。理由は、簡単だった。
Aが好きだから。
「あっそ……。なあ…A。」
「ん?」
「薬、口移しで飲ませてよ」
気付けば妖しく笑ってそう言っていた
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ユイ - 高杉のヤンデレ(果たしてこれはヤンデレ...だよな..?)は最高ですなああ立場反対でも妄想したら最高だわ (2022年12月3日 1時) (レス) @page44 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 後ろから5行目の銀時って、桂の間違いじゃないですかね?? (2018年11月30日 1時) (レス) id: 6bc829527b (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - くれさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - メイビスさん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - カチカチ☆百足姫さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつぽん | 作成日時:2015年3月7日 17時