第52話 ページ8
自分の耳を疑った。
「は…何で……」
確かに"彼氏彼女"とかそんな口約束、俺達はしてねェけど。
「そーちゃんもさ…彼女…とか…いるでしょ」
「居ねーよ」
「今日、女の人と居たじゃん。」
「俺だって健全な思春期男子なんだから仕方ねーだろ」
「あたしだって年頃だもん…フツウの恋愛もしてみたい…」
「…別にそれはお前の自由だろ、好きにしなせェ」
それよりも固くて深い、血という絆で結ばれているから。
だから…
「けど……それとこれとは別でさァ」
「別じゃないよ、」
「旦那に何か言われたのかよ」
「……」
Aは自身の着物を整えながら、無表情で帯を結ぶ手を止めた
「あの人はよしときなせェ…あーいうタイプはめんどくせェから。」
「そんなことない…すごくいい人だよ…強いのは腕っ節だけじゃないし」
「…」
「普段はあんなだけど、人として尊敬出来るとこいっぱいあるし。それに、…優しーし」
「だとしても、俺らには知らねェ過去もあんだろ。テロリストとのつながりもあるって話じゃねーか。」
「そーいうこと言わないでよ…あたしが誰に惚れよーが勝手じゃん。」
「………」
「………っもうこの話終わりにし…っ!!っ痛」
「誤魔化さねェで聞きなせェ!」
思わずAの手首を掴み寄せた
「そーちゃん…何、怒ってんの。いくら想ったところで、旦那があたしのことなんて相手にするわけないでしょ…」
「とにかく、やめとけって!」
「なんでよ…すごくいい人じゃん…」
「そう見えるだけで、オカシな奴なんて山ほど見てきただろーが!!」
「ッ……もしそうだとしても…あたしたちの方が…よっぽどオカシイよ…」
「っ…………」
消え入りそうな声
「あたし達…兄妹なんだよ…それなのにこんなことしてるじゃん…」
これ以上何も聞きたくなくて。
「あたしだって…そーちゃんとずっと一緒に居たいけど…ッン」
掴んだ手首を引き寄せて、背けようとする頭を固定して舐めるような口付けを繰り返す
「んぅ…そーちゃ、やっ」
抵抗する彼女の後頭部を乱暴に押さえつけ、今度は深く深く
「ッ…ん…や、」
嗚咽するAの瞳からは涙の雫が一つ、また一つと流れ出ていく
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あつぽん(プロフ) - アルハさん» ありがとうございます!!!私としてもすごく思い入れのあるこの作品についてそういうコメントいただけるのはすごくうれしいです!これからもよろしくお願いしますね(*^_^*) (2016年12月7日 11時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 1から読みました!話に引き込まれていって凄く面白かったです!!最高!!! (2016年12月3日 14時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - みゅうさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - あつぽんさんの作品は全て読ませてもらっています!どれも面白くて大好きですっ!これからも頑張って下さいq(^-^q)応援しています(*´ω`*) (2016年8月2日 19時) (レス) id: ad4e56f403 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 月夜さん» おおおお!総悟&神威好きに出会えるとは!!わたしも大好きなので、喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)実は私の作品、神威が活躍するの多いんですよ(笑)これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年2月6日 10時