第44話 ページ46
取り残された銀時は手を伸ばした格好のまま引きつった表情を浮かべその場から動けずにいた
泣いてた、よな…?
(ヤバくない?これめちゃくちゃ気まずいまま終わってねェ?)
沖田くんといくら禁断の恋をしているAだとしても、自分も本気で惚れちまってるから諦められない。だから初心に戻って少しずつ距離を縮めていこうと思ったのに…。
"旦那の好きだって言ってくれたあたしはあたしじゃないから。"
"綺麗なのは旦那だけで、あたしは汚いから。"
そう言ったAの顔が頭から消えない。
沖田くんの妹と紹介された、真っ白で純粋そうで何処か儚げな可愛い女の子。人を斬ってきたなんて嘘みたいな。
確かにAに対して幻想を抱いていなかったというと嘘になる。
だけど俺だって一応大人だ、わかるよ。
やっぱり時々目だけは変わる。
決して愛想は悪くない。寧ろいつも人に囲まれて笑っていた。だけど何処か壁をつくって、『特別』ってなると逃げ出してしまいそうな雰囲気を常に纏っていた。
勝手な話だが、それが酷く俺を安心させた。
抱え込むのが辛くて仕方なかった過去。誰に話すわけではないけれど、Aに出会ってから穏やかになった。
そして「旦那」と柔らかく微笑むAも、俺には幾らか心を開いてくれていると思っていた。
Aの荷物を毛一本ほども預けてもらっていない事実を突きつけられた気がして、つい爆発してしまった。
何であんな言い方をしたのか…。どうしてこうも全て裏目に出てしまうのか…。
Aの後ろ姿が完全に見えなくなった時。やっと身体を動かす事が出来た銀時は、真っ昼間の河原でひとり頭を抱えるのだった。
195人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時