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第41話 ページ43

「なら、俺と一緒に生きてくれよ。」


無理矢理笑うあたしのことを、悲しそうな瞳でこちらを見る旦那。


「俺ァ、金は持ってねーが、Aのことジジイババアになってもずっと笑わせてやる。」

「無理、だよ…」

どうにか笑いたいのに上手く笑えない。


「旦那の好きだって言ってくれたあたしはあたしじゃないから。」

「綺麗なのは旦那だけで、あたしは汚いから…。」

「旦那と一緒にいると、」


だんだんと泣きそうになりながら、口早に続ける。

「ッ…苦しい」


驚いた顔をして動きを止めた旦那は、


「今だって胸の中が消化しきれないドロドロしたもので一杯なの…。」

「そーちゃんとああしてないと、ッ…全部無くなっちゃう!」


あたしが声を荒らげて言うのを、真っ直ぐ見つめて聞いている


「旦那と一緒にいると、あたしが消えちゃう…」

「姉上のこともなにも、なかったかの様に…!」

「そんなの…ッ…嫌だ、」

そして、

「A、違うだろ。」

低く怒った様に言った旦那。


「全部無かったことにして、消してんのは。A、自分だ。」


旦那の言わんとすることは痛いほどにわかったけど、それを受け入れられるほど強くはない。だから、



「帰るね…。気分悪くさせちゃって、」


逃げた。


「ごめんね。」

きっと私が目の前で泣いたら多分旦那は気にしてしまうだろう。


「え…?あ…A…?」

「よ、用事あるから!」


泣き顔を見せまいと背中を向ける。


「ちょ…A…!待て…!」


焦った様に伸ばした旦那の手を振り払い、溢れてしまった涙を見せまいと下を向いた。

「……」

「……」

旦那は空を切る手を伸ばしたまま。空気は気まずい物へと変わっていく。

「ごめん…」


「いや……なんか俺が…ごめん」


慌てて涙を拭い謝ると旦那もまた謝る



「…帰るね…ほんとにごめんね。」

止める旦那の声も聞かず逃げる様にその場を後にしたのだった

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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時

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