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第20話 動乱篇 ページ22

「……誰に刀を向けてるか、分かってるの…?」

近藤に刀を向ける伊東派を見据え、無表情のまま静かに告げるA。そして、

「俺の大将はただ一人…、

そこをどけ…そこの隣はオレの席だ」

一方ではゆっくりと進んで行く沖田。

「沖田君、伊東先生になんて口を……」

伊東派の隊士一人が掴んだ。次の瞬間、

「ッ…」

血飛沫が舞った。

沖田の肩を掴んでいた隊士が倒れこむ。同じように、Aに刀を向けた隊士も、Aの手によって倒れた。


刀を持ち直し、鋭く光る赤い眼光を、沖田とAは伊東にぶつける。


「沖田君…、やはり君は土方派。
土方を裏切ったのも…僕をあざむくための芝居。
そしてAが僕に付かないように遠ざけておいたのか。」


「…芝居じゃねーよ。……言ったはずでィ。」

「俺の眼中にあるのは副長の座だけだ。」

「邪魔な奴は誰だろうと叩き潰す」


「……」


「土方は消えた。次はテメーの番だよ、伊東先生」


冷徹にも言い放った沖田に対し…伊東は心底愉快気に笑った。


「クククッ…とんだ性悪だ。…いいじゃないか。…僕も、君と同じ意見だ」


その時、沖田の背後に潜んでいた隊士が彼に襲いかかった。

しかし一足早くAがピッと何かのボタンを押すと、列車の後方で爆発が起きる。


「チッ…爆弾を……!?」



沖田が近藤に手を差し伸べて逃げようとしている。


「逃がすな!」


「伊東先生、」


何人かの隊士が血飛沫を上げて倒れた直後、冷たい声が伊東のすぐ耳元で聞こえた。

「あなたも、逃がしません、」

反射的に伊東が振り向くと、悲しい目をして刀を突きつけるA。

「やはり、か…」

そしてまた、


「沖田君は誰よりも君を理解しているのかもしれないな。だから、君を僕から引き離した。」


伊東もまた悲しそうな目をして話し出す。


「それを決して嘆きはしないが…もう君のバカな話を聞けない事だけは少し寂しいと思うかもしれない」


『寂しい』だなんて先生の口から聞くのは初めての事で、表情を変えずあたしがただ見詰めていると、


「今更だけど、君との無駄話は嫌いじゃなかったよ」

伊東先生は少し寂しそうに笑った



「A、こっちは準備OKでさぁ。後は任せなせえ…」



「そーちゃん…一人で大丈夫?」


「ちったァかっこつけさせやがれ」


そーちゃんは笑い、次に真剣な瞳で「近藤さんを、頼んだ」と告げると、一人、先生達の乗っている電車へと戻った。

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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時

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