第1話 ページ3
某日午後六時。江戸内の廃墟にて、
“六番隊は裏の出入り口に回れ。残りの隊は一番隊を中心に正面から斬り込む。”
先程土方によって最終確認された配置に各々がつき、緊張が高まる。そして、
「真選組だ!ご用改めである!」
土方の怒声とともに隊士達が続々と建物の中に入っていく。
「くそッ、真選組か!!」
中に居た数十人の浪士達は予期せぬ出来事に慌てながらも刀を構え迎えうつ。
「やれェェェ!」
刃と刃がぶつかり合う音が、響いた。
ガシャーン
ガキッ
四方から聞こえてくるそれは、止むことのない。
飛び散る鮮血。充満していく血の匂い。悲鳴。
斬り合いが始まる中、沖田とAは二人で既に建物の中心部の一室へ居た。そこには二、三十人の浪士たち…。
「デヤァァァァ!」
無我夢中で向かってくる浪士を右袈裟に斬り捨てる。飛び散った血が頬を濡らした。
「総悟!A!…くそっ!」
二人が何十もの敵に囲まれているため、土方をはじめとする隊士たちが援護に向かおうとするが、次々と斬りかかってくる者たちがそうさせてはくれない。
その時、
「ハアァァッ!」
その時、沖田の後ろで一人の浪士が刀を振るう
「おいっ、総…っ!!」
スバッ!!!
沖田が前だけを見ている中、後ろの敵を倒したのはAだ
「まだ居ンのか、勘弁してくだせェ…」
「そーちゃん、前、前!」
「お前もでィ、ったく…」
Aを斬ろうとした敵は沖田が回り込んで斬る。
「へへっ、ありがと」
二人は背中を合わせて戦っていた
明らかに数では劣るはずなのに、バサバサと斬り捨てていくAと沖田。
やっとのことで援護に駆けつけた、土方や他の隊士たちは、血に染まった部屋の中にただ二人立つ姿を見て絶句する。
「…ッ、」
「こんで終わりだな…うお!」
沖田が最後に斬りかかってきた男に刺さった刀を引き抜くと、顔に生暖かい血が降り注いだ。
「え…ちょ、」
「あー…気持ち悪ィ!」
「もー、そーちゃん!こっちにまでかかったんだけど」
すでに二人の周りには張り詰めた雰囲気など無く、いつもと変わらぬ様子でいた。
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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時