7-3 美少女と男と双黒 ページ29
その後の太宰は娘を嫁にやるときの様な心配ぶりだった。
其れで、俺を尾行して危険になれば助けに行くという作戦を取ることに。
尾行する気力があるなら太宰が行けばいいじゃん、と云えば其れは嫌だと返されて。
結局は女装させようって魂胆だ。
「普段のままだと餓鬼っていって莫迦にされるかもよ?餓鬼だと取引してもらえないかも――」
なんて脅されて仕方なく女装した始末。
ー
ーー
ーーー
思い返しては溜息が。
しかし気がつけばもう、約束の場所の直ぐ側まで来ていた。
溜息をどうにか我慢して、身なりを再度確認して、もう一度歩を進めた。
『お待たせしてすみません。取引させて戴く事となっている新美……と申します。
えー……と、取引に応じて下さり有難う御座います』
慣れない口調にしどろもどろになりつつも、極力好印象に映るような挨拶を終えた。
下の名前を教えると性別がバレてしまう可能性があるが、咄嗟に偽名も思いつかず名字だけを名乗った。
「アア……何だ、こんなお嬢ちゃんが取引に応じるってか?はっ、まあ、金だけはありそうな身なりだな」
思ってた以上に柄の悪そうな男であった。
もう取引する前から、違法な取引してるやつだろうな?!って予感がする。
だからもう俺このまま回れ右していい?
『え、ええ……勿論ですわ。相応の金額は用意しましたもの』
そう云いながら社長に渡された封筒そのままを男に差し出す。
きっとお金が入っているのだろう。
しかし、男は其れを受け取らない。
『あの……?』
不思議がって更に数センチ前に出した腕を男が素早く容赦ない強さで掴んだ。
『っ……?!』
「金は勿論貰うぜ。でもなぁ、お望みのコレ、嬢ちゃんが使う積りか?」
一応、取引の要望はメールだったため他の社員がやったものの、これは単独での取引という設定だ。
『え、ええ』
「じゃあ、オマケにこっちのクスリもどうかな!」
ヤバイ、とは思っていたが腕を捻り上げられていて動けない。
男が何処からか取り出した怪しい白い粉を俺の口に無理やり入れようとしてきた。
『やめっ――』
「辞めてくれないかな?」
『太宰……』
「遅くなって御免ね、少しばかり色々あってね。確信が持てたし、やっていいよ中也」
「うるせぇ!俺にやらせんな!」
名前を呼ばれた中也、という男性(?)は容赦なく男を殴り飛ばし、気絶させた。
「睡眠薬ねえ……拐うつもりだったのかな?
残念。お金も押収……っと」
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霜月まぎか(プロフ) - 妃有栖さん» え、え、読んでくれただけで死ぬ程嬉しい有難う!!!私も書きながら泣いた(( (2018年1月10日 23時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
妃有栖(プロフ) - 読破遅くなってしまって申し訳ない……ちょっと真面目に泣いたんだけど……夢主くん最初はめちゃくちゃ可愛いショタだって思ってたら最後はもう……!涙出てきた……夢主くん辛いけど幸せだっただろうねぇ…… (2018年1月10日 22時) (レス) id: 6bd3aaf7a9 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - りつさん» 有難う御座います!現在進行系で読んでくださる方がいらして嬉しい限りです!頑張ります! (2017年12月9日 19時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
りつ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!これからも応援してます! (2017年12月9日 11時) (レス) id: 9f104312a4 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - おこめりんぐさん» 有難う御座います!!え、凄い嬉しい…!!同じ受験生何ですね!頑張りましょ!応援とかコメとか本当に有難う御座いますうう (2017年11月27日 16時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
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