10-1 病床に臥す ページ41
(太宰side)
数日前からAが部屋から出てこない。
戸外から声を掛ければ返事は返ってくるものの、その内容は安心できるような様子ではない。
ならば、無理矢理にでも戸を開ければいいだろう。
という思案も彼に「一生のお願いだから」という頼みをされれば無理矢理にこじ開けるのも躊躇ってしまう。
其れは数日前の朝のことであった、
「A、朝だよ。珍しいね、」
Aが朝起きられないなんて____
『お願い、開けないで！今日はちょっと具合悪い、から……休む』
私の言葉を遮り切羽詰った声で頼まれる。
「風邪かい？なら、非常事態として私も休もう。看病するから」
『駄目、お願い、お願いだから……開けないで、そっとしておいて……。俺が治ったときに俺の分も仕事しておいてくれるのが一番助かるから』
「ええ……それは国木田くんに言えば上手く他に回せるでしょ」
『それは駄目、俺がその案を飲むと思ったの？』
まさか、微塵も思ってないが、其れでも看病をさせて欲しい、と言う私の気持ちは届かないものか。
『一生のお願いで良いからさ、そこ開けないで。其れと……心配させちゃうから探偵社の人には微熱とでも言っておいて、絶対だからね』
「……私にさえどんな具合か教えて呉れないのにかい？
……仕方ない、今回は私が折れよう。その代わり部屋の前に食べ物と体温計置いておくから絶対食べて熱計っておいてね。
早く治すんだよ」
『有難う、太宰こそちゃんと仕事してくるんだよ』
其の儘次の日もAとは同じ様な会話をして、同じ様にAは私の前では部屋から一度も出ずに私だけが探偵社に行った。
探偵社員には自分が引きこもっていることを言ってほしくない、と本人は言う為、私には病気に効く料理や看病の仕方が分からないが他人に助けは求めずに守秘義務を果たした。
しかし、そんな日々が何日か続き、もう私も耐えきれなくなりそうな頃。
こんな苦しい事が何日続いているかなんて数えたくもなかった。
目に見える数字として出してしまえば余計、鬱らしくなってしまいそうだ。
「……A、今日も出られないのかい。
そろそろ私も病んでしまいそうな程には君の事が心配だ。
せめて答えておくれ、原因は君の"異能力"かい？」
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霜月まぎか(プロフ) - 妃有栖さん» え、え、読んでくれただけで死ぬ程嬉しい有難う！！！私も書きながら泣いた(( (2018年1月10日 23時) (
レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
妃有栖(プロフ) - 読破遅くなってしまって申し訳ない……ちょっと真面目に泣いたんだけど……夢主くん最初はめちゃくちゃ可愛いショタだって思ってたら最後はもう……！涙出てきた……夢主くん辛いけど幸せだっただろうねぇ…… (2018年1月10日 22時) (レス) id: 6bd3aaf7a9 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - りつさん» 有難う御座います！現在進行系で読んでくださる方がいらして嬉しい限りです！頑張ります！ (2017年12月9日 19時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
りつ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです！これからも応援してます！ (2017年12月9日 11時) (レス) id: 9f104312a4 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - おこめりんぐさん» 有難う御座います！！え、凄い嬉しい…！！同じ受験生何ですね！頑張りましょ！応援とかコメとか本当に有難う御座いますうう (2017年11月27日 16時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
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