1-1 新入社員と日常 ページ2
先日、新しい社員が、武装探偵社にやってきたそうだ。
名前は、中島敦というらしい。
「あ、初めまして! 中島敦といいま……す」
『……その間は何?!今俺のこと幼いって思ったでしょ? い、一応は先輩なんだから!!』
「い、いえそんなこと微塵も……!」
『いや、実際俺の方が年下だと思うからいいけど。名前は新美A、年近そうだし敬語なしでも大丈夫だよ』
「え、あ、じゃあ……Aくん?」
『う、うん、よろしく
……じ、じゃ、俺、太宰さん探して来るから……またね!』
少しばかり気まずい会話が続いたあと、先に沈黙に耐えきれなくなったようで、Aがドタバタと探偵社をあとにした。
「僕、何か嫌われるようなことしちゃいましたか……?」
敦が独り言のように心の声を漏らすと
「いいや、Aは初対面は苦手なんだよ。本人は自覚なさそうだけどね。
普段はもっと刺々しいときもあるから、まだマシな方さ」
与謝野はけしてお世辞ではないのだろう、笑みを浮かべて言った。
「それにしても、可愛らしいですわね」
ナオミも飛び出していったAの方向を見て呟いた。
「本当に、私は別室に居ただけなのに、口実作って逃げちゃうなんて照れ屋さんだねぇ」
「太宰さん?! 聞いてたんですか?!じゃあAくんは……」
「それに関しては大丈夫さ。A分かってると思うよ、私さっき本人に別室に行くって云ったし」
ひょっこりと何処からか現れた太宰は、すぐに戻ってくるだろう、と続けて近くの椅子に腰を下ろした。
その後10秒も満たないうちに力任せに部屋のドアが開いた。
『なんでいるんだよばかだざい!』
赤面してはいるがかなり怒った様子だ。
「あらあら、おかえりA。
何だか呼ばれた気がしたから」
語尾に音符でもつきそうな勢いの笑顔で答える太宰。
『呼んでないし、話聞いててわざと来るとか、性格悪い!』
「え〜、だってAが本当に川に私を探しに行ってしまったら大変じゃないか」
『だったら俺が外出る前にこっそり呼び止めてくれたらいいじゃん! にやにやすんなっ』
耐えきれなくなったAが太宰をポカポカ叩き始めた時、
「貴様ら仕事の邪魔だ!! 太宰はさっさと仕事をせんか!!」
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霜月まぎか(プロフ) - 妃有栖さん» え、え、読んでくれただけで死ぬ程嬉しい有難う!!!私も書きながら泣いた(( (2018年1月10日 23時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
妃有栖(プロフ) - 読破遅くなってしまって申し訳ない……ちょっと真面目に泣いたんだけど……夢主くん最初はめちゃくちゃ可愛いショタだって思ってたら最後はもう……!涙出てきた……夢主くん辛いけど幸せだっただろうねぇ…… (2018年1月10日 22時) (レス) id: 6bd3aaf7a9 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - りつさん» 有難う御座います!現在進行系で読んでくださる方がいらして嬉しい限りです!頑張ります! (2017年12月9日 19時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
りつ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!これからも応援してます! (2017年12月9日 11時) (レス) id: 9f104312a4 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - おこめりんぐさん» 有難う御座います!!え、凄い嬉しい…!!同じ受験生何ですね!頑張りましょ!応援とかコメとか本当に有難う御座いますうう (2017年11月27日 16時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
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