古代の軌跡 (ページ10)

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8。ページ10

「ただいまー。」
「あぁ、帰ったか、リィン。」
「ただいま、ガイウス。ロイの調子は？」
「呼吸も安定している。目は覚まさないが。」
ありがとう、と礼を告げ、残っているエリオットに交代しよう、と声をかけ、ロイの寝ているベッドの横の椅子に腰掛ける。

「ロイ・・・。」
リィンは眠るロイの髪に触れる。見かけよりサラサラしている。
「ごめんな・・・。」
リィンはロイを守れなかったこと、本来前衛の自分が守るべき後衛の少女に守られた事に未熟さを感じていた。

『・・・ん・・あれ、リィン・・・？』
「ロイ！？目が覚めたのか！？」
ロイが目を開ける。
うん、とリィンの疑問に頷くと、ちょうど2人の腹が鳴った。
「『～～～～～ッ！！』」
2人して顔を赤くしているのは周りが見るとかなり滑稽だろう。
ちょっと、ご飯もらってくるよ、とリィンが席を立つ。
ロイが少し待つと、リィンが料理を手に持って来た。
どうやらガイウスとエリオットが食べていたのをもらってついでにおにぎりを握って来たらしい。
「食べるか。」
『・・・うん。』
リィンのお手製おにぎりはなかなか美味しかった。
『美味しい・・・。』
「はは、そう言って貰えると嬉しいよ。」

食べ終わると、リィンが突然真剣な顔をして聞いてきた。
「なぁ、ロイ。旧校舎で見せたあの技は何だ？それに、オリエンテーリングの時の、[自分は平民でも貴族でもない]って、どう言うことだ？」
『・・・ッ！！』
ロイが言い淀んでいると、
「ロイ。・・・俺たちは、そんなに頼りないか？」
とリィンが聞いてきた。