雷女神様、…お前もサボりか。 ページ8
あまり陽の射さない、深い森の中。
少しの木漏れ日に照らされ、水の流れる音と木々のざわめく音しか聞こえない、静かで幻想的な場所。
…そんな場所にある、神殿。
神殿の前に、小さな雷が落ちるような音と共に一瞬で現れたのは…
銀髪で、ヘッドホンをつけていたり、近くに鏡が浮遊していたり…ちょっと奇抜な容姿の女神様、セーラ様ですね。
さて、セーラ様はこの幻想的な光景を見て…
「……。…はーぁあ…」
…随分大きなため息をつきますね。
「また、ですわねぇ…」
あからさまに不機嫌そうな顔をし、再び…先程より大きなため息をつきます。
「もうっ…、あいつ…っ」
ぎりっと歯ぎしりをして歩きだし、神殿に入って行くセーラ様。
…すごく怒ってるみたいですけど何事ですかね…。
「……」
入ってすぐ、ちょっとした階段があり、そこを登ってしばらく歩くと、突然セーラ様は目を瞑ります。
「心が読める神相手に、当たると思いましたの…?」
目を瞑ると共にそう言い、ぴたっと足を止め、言い終わるとすぐ閉じていた目を開けます。
「よぉ、露出狂」
「誰のせいでこんな格好させられてると思ってますの?」
セーラ様が目を開けると、そこには先程まで居なかった…長めの金髪を後ろで1つに結び、緑の瞳をした…10代後半に見える中性的な顔をした方が居ます。
それともう1つ…セーラ様の視界に映ったのは…
「…それはともかく…これ、どけてくれないかしら」
あと1歩でも進んでいたら、セーラ様の喉元に刺さっていたであろう位置に突き出された剣、ですね。
…いや、あと1歩どころじゃないですね。もう軽く刃先がセーラ様の喉元に触れてるんですが。
その剣を眼球だけ動かし見つめると、驚いた様子も何もなくセーラ様は言い放ちます。
「はいはい、女神様の仰せの通りに」
セーラ様と全く目を会わせずに、よそ見をしながら…
…僕の予想だと男性でしょうか、髪が長いですが
よそ見をしながら少年は剣をどかします。
気まずいから目を逸らしている、とかではなく。相手に興味がないから目を逸らしている感じがしますね。
「…貴方、何してますの」
セーラ様は、浮遊している鏡と片目の鏡…両方の鏡で少年をじっと見て問います。
「暇だったから、退屈しのぎに神でも殺そうとしてたんだが」
すると…、無表情で随分物騒な事を言いましたね、この少年…
ねぇ、また仕事忘れてない…?→←炎女神様、歩き食いはよくない。
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緑 - とまとそーすさん» わざわざコメントありがとうございますっ、なかなかの亀更新ではありますが頑張ります…! (2020年5月7日 17時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
とまとそーす(プロフ) - 世界観がしっかりとしていて好きです!更新、頑張ってください! (2020年5月7日 0時) (レス) id: a15a8d4ea3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒夜 緑 | 作成日時:2018年8月19日 18時