29 秒 ページ30
.
強く握られた手首が少しヒリヒリする
全てを見透かしてるような鋭い目付きで
私を見つめる彼の瞳は以前にも見た事があった。
最寄りの駅に着いて、強引に手を繋がれ降ろされた
駅のホームにぼうっと立ち尽くす。
私たちの間に会話はない。
ただそっと、手を強く握りしめられる。
「 やっと会えた。…やっと話せる、」
ぼそっとそう言って指が絡められた。
恋人繋ぎされてる…。
「 Aちゃんが分かりやすく僕のこと避けるから、ずっとムカムカしてた 」
『 さ、避けてたわけじゃ…ないです、』
バレてた。
図星をつかれて語尾が少し小さくなる。
耐えてた涙がまた溢れそうになる。
嬉しいんだ。まだ君が私の事覚えててくれてることが、嫌われてないことが、名前を呼ばれることが
その全てが胸を苦しくするんだ。
「 キャスにも来ないし、リプもDMもくれないし、誕生日待ってたのにお祝いしてくれなかったし結構傷ついたんだけど?……ってぇ、僕も傷つけちゃったけどさ 」
頭をポリポリとかいて気まずそうに俯く。
勝手に傷ついて、勝手に病んで、勝手に避けたのは私なのに…。
ほかの女の子にもああやってキスするのかな、とか
勝手に考え込んじゃったのは私で、君は何も悪くないのに
視界がぼやける。
貴方に出会ってから泣かされてばっかりだ。
「 ごめん、僕のこと嫌いになった?あんな最低なことしといて許してもらえるとは思ってないけど…」
『 嫌いになんてなってません。…だいすきです。すきです。…嫌いになんてなれません!!』
誰もいないホームに私の声が響く。
涙で顔はグシャグシャだし、声も心做しか震えてる
ずっと合わせられなかった目を合わせると
目をまん丸にした彼
嫌いになるなんて選択肢なかったよ。
好きって言う気持ちしか湧き上がってこなかった。
ずっと前から無我夢中で私はあなたに恋してるんだよ。
今さら嫌いになんてなれない。
.
1249人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佳菜 - あっ…漢字打ち間違えてた。 (2020年8月30日 21時) (レス) id: a41a8f06ff (このIDを非表示/違反報告)
佳菜 - 瑞希って子、私のリア友と全く同じ名前…。 (2020年8月30日 21時) (レス) id: a41a8f06ff (このIDを非表示/違反報告)
いーこ - Twitter名をふざけてうんこウメエヨにしたら吹いたw (2020年8月18日 0時) (レス) id: 439df88532 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ/水犬/みぃ@藍友同盟(プロフ) - 33秒の時もなんですが…カッコつけているという事ですかね!(゚∀゚) (2020年1月24日 14時) (レス) id: d0bbfea2e0 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ/水犬/みぃ@藍友同盟(プロフ) - 素敵です!更新頑張って下さい!後、22秒の所の一番最初の所、ころん君の一人称が、俺になってますよ〜そこだけ))体調崩さずに…←インフルA型の人) (2020年1月24日 13時) (レス) id: d0bbfea2e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白兎 | 作成日時:2019年6月2日 18時