17.作戦会議�� ページ21
緊迫した空気が部屋を満たした。ダ・ヴィンチもそうだが、ドクター・ロマンの顔があからさまに険しくなったのだ。立香とマシュの身の安全を守るため尽力している彼には、相当受け入れ難いことだろう。しかしながらAはそんな彼を心配してやる余裕がない。彼女は勢いのまま大声を張り上げた。
「立香が死…！？有り得ないっ、貴方たちはそうやっていつまで私やロマンを弄ぶの！」
「吠えるな雑種。先から言うておるだろう､これは人理修復に関わることだと」
面倒そうに英雄王が答えた。声色から、Aの不埒な行いを咎めているようだった。
「うん…そうだよ、Aちゃん。僕たちがすべきことはこの問題を早急に解決することで、彼らを糾弾することじゃあない」
ロマンに窘められなお納得のいかないの様子でAは食い下がる。立香が誤った道に進むことと人理修復の危機については、鬼気迫る彼らの様子からすると無関係ではないのだと彼女が理解していたからである。
「それで？それが、立香が誤った道に進むことと、並行世界で人理修復が成されなかったこととはどう関係があるのですか」
「答えは簡単さ。君＿＿藤丸A。最早世界の命運は君にあるといっても過言ではない。それは何故か？…並行世界ではいないのさ、君という存在自体が」
ダ・ヴィンチとドクター・ロマンが途端に目を見開いてAに目をやった。Aはことの重要性を噛み砕くほど頭は冴えていなかったが、自分にのしかかる運命をやっとのことで理解した。
「マスターはこのまま行けば必ず人理修復の手筈を誤り、失敗する。それを正せるのは君しかいないんだよ。というか、君しかいないんだ。この世界の不確定要素と成りうるのはね」
「…並行世界で観測された人物は当然このカルデアでも観測された人物のみだった。が、お前のみ存在自体がそもそも無く、藤丸立香に姉妹がいたという記録さえなかった。これを利用しない手はなかろう」
英雄王にいつもの不敵な笑みが戻った。王と成るべくして成った者のそれは、一同に一縷の希望を抱かせる。
「ただし、僕たちはバビロニアに向かうことは出来ない。根本的に同じ英霊が一同に会することは出来ないからね。それに、例え危機的な未来が待っていたとしても、そう易々と人に未来は教えられない。この人理修復は、何としてでも君たちの力のみで成し遂げる必要がある」
Aは先の言葉を反芻しながら深く息を吸う。最後の人理修復が、始まろうとしていた。
続く (更新停止中)
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桃苺紅茶＠虹色palette(プロフ) - とっても面白かったです…！ぐだ男くんの小説ってほんとに少ないので…凄く引き込まれるような内容で、何度も繰り返し見てますw更新待ってます！ (2021年9月9日 18時) (
レス) id: 4935a83b89 (このIDを非表示/違反報告)
十朱(プロフ) - 焼きまんじゅうさん» コメントありがとうございます！ぐだ男くん個人的にとっても好きなので夢主とは分けてしまいました笑 (2018年8月19日 19時) (レス) id: 980373f16e (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - 待ってました久々の更新……！夢主が居ると同時にぐだが存在する小説は希少価値が高いので、ぜひ終幕まで御付き合いさせて下さい〜♪ (2018年8月19日 19時) (レス) id: 18ac062503 (このIDを非表示/違反報告)
十朱(プロフ) - 夜@依存症さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると本当に嬉しいです。 (2018年1月14日 11時) (レス) id: eb51e53d41 (このIDを非表示/違反報告)
夜@依存症(プロフ) - 文章が流れるように綺麗で、とても読みやすくて面白いです!これからの展開が気になります(*´∀｀*) (2018年1月14日 2時) (レス) id: 88ca4eb684 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十朱 | 作成日時：2017年5月23日 1時
