14.作戦会議�� ページ18
「…貴方の真意が図りかねます」
うんざりした様子でAは告げた。この男はすべてを持ちうる存在故にひねくれた表現を好む。Aは内容をある程度理解しながらも、無意識のうちに理解することを諦めてしまって、未だ王の有難い忠告を受け止められないでいる。
「皆まで言わずしても理解するのが雑種の務めであろう。この我がこうやって世話を焼いているというのに…つくづく雑種の行動には呆れるというものよ」
見定めるように赤い瞳がAを見た。しかしながら、王の意図が読めない今、下手には動けない。この王はマスターである弟に従っているのであって、Aに従っている訳では無いからだ。落ち着いて、最善の答えを出さねば。これ以上不興を買えば間違いなくAの首は飛ぶ。
「…残念ながら今の時点では貴方の意向に添えません。いきなり何を言い出すかと思えば立香が誤った道に進むなど…。具体的にどういった危険性があるのか、ということを事前に提示して頂けませんか」
いつになく冷静な判断を下すAに、かの王は満足した様子で口を開く。千里眼を持つ彼がそう言うならば、そうなのだろう。が、立香は至って普通で、平凡な少年だ。そんな彼が何を起こすというのだろうか？それに、人理を乱すようなことがあれば、カルデアの一職員として止めなければならない。
「…激情家のきらいのある貴様が随分慎重で利口な口を利くようだな。人の子の成長とは早いよなあ？エルキドゥ」
「はは。皮肉にもなってないけどね、それ…。けどまあ、それを聞いてくれなくちゃ困るところだったからさ。助かったよ。さっきのギルの物言いはこれまた、唐突だったしね」
苦笑いを隠さない彼は、場の進展において不可欠だった。彼の言葉には友人ほどの飾り気が殆どない。Aは人知れず安堵の息をついた。
「…この話には重要な機密事項が複数存在していてね。千里眼を持つアーラシュ殿などにはバレているだろうけど、事態は刻一刻を争う。よって」
エルキドゥがちらりと扉に目を向ける。2人の男女は、見知った顔であった。
「やあ、Aちゃん。突然済まないね。僕たちも英雄王殿の作戦会議に参加させてもらうよ」
「チャオ！このレオナルド・ダ・ヴィンチがいるからにはどんな難題をも応えてみせよう。大船に乗ったつもりでいたまえ」
突然の2人の来訪にAは至極驚いた。そしてこれだけの面子が揃えば、穏やかな話が続くことがないだろうとも。そう悟らざるを得なかった。
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桃苺紅茶＠虹色palette(プロフ) - とっても面白かったです…！ぐだ男くんの小説ってほんとに少ないので…凄く引き込まれるような内容で、何度も繰り返し見てますw更新待ってます！ (2021年9月9日 18時) (
レス) id: 4935a83b89 (このIDを非表示/違反報告)
十朱(プロフ) - 焼きまんじゅうさん» コメントありがとうございます！ぐだ男くん個人的にとっても好きなので夢主とは分けてしまいました笑 (2018年8月19日 19時) (レス) id: 980373f16e (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - 待ってました久々の更新……！夢主が居ると同時にぐだが存在する小説は希少価値が高いので、ぜひ終幕まで御付き合いさせて下さい〜♪ (2018年8月19日 19時) (レス) id: 18ac062503 (このIDを非表示/違反報告)
十朱(プロフ) - 夜@依存症さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると本当に嬉しいです。 (2018年1月14日 11時) (レス) id: eb51e53d41 (このIDを非表示/違反報告)
夜@依存症(プロフ) - 文章が流れるように綺麗で、とても読みやすくて面白いです!これからの展開が気になります(*´∀｀*) (2018年1月14日 2時) (レス) id: 88ca4eb684 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十朱 | 作成日時：2017年5月23日 1時
