tenth ページ10
...
「 総悟。」
何度も呼んだことのある名前を改めて呼ぶのは少し緊張する部分がある。
どんな話をされるのか、そんなことを考えながら総悟の前に立つ。
「 来てくれてありがとな。」
「 うん。総悟の頼みだからね。」
総悟の顔を見たくなくて、俯き加減で話をする。総悟もかなり深刻な話をするのだろう。
上からの圧がかなり強い。
「 そんで、話なんだけど、と、その前にこっち向きなせィ。下向くな。」
顔をぐいっと上げて、総悟と目線を合わせられる。冬だと言うのに首元に汗を垂らして、でも手は凄く冷たい。
「 向くって!向くから、手を退けてよ。」
頬をムッと膨らませて総悟を睨みつける。すると、彼はニコリと笑って
「 それが、Aでィ。」と。
「 ま、姉上みたいな清楚な人には到底、追いつけないけどねィ。」
時々嫌味を言ってくる彼に対して、私もいつものように言い返す。
「 総悟みたいな "シスコン" にそんなこと言われたくないから。」
「 は?シスコンじゃねェし、姉上という人が好きなだけでィ。」
「 それをシスコンって言うのよ。」
私がそう言いかけた途端、互いに目を合わせて笑った。こんなやり取りをするのは久しぶりで、思わず笑いが零れたのだ。
ミツバが振られてしまった時に、木の後ろで聞いていた総悟に寄り添ったのも私だ。
総悟のためになら何だってしたい。
でも、私のすることが、私の存在が、彼のためにならないのであれば、その時は身を引きたいの。
でもさ、こんなこと言われるなんて思ってもなかった。否、もしかしたら、と心のどこかで思っていたのかもしれない。
「 俺ァ。お前と江戸に行きたいでさァ。」
だからさ、
この後に続く言葉がね、分かっちゃうの。
▷▶▷ 次、短いです。
...
109人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Okita - すっごく切ない。 こんな愛され方されたい/// SSで始めて泣いた・・・ (2019年8月3日 22時) (レス) id: c736cd8110 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - なるさん» わぁ!ありがとうございます。切ない話にしたくて頑張ったのでそう言って貰えて光栄です。読んで頂き本当に有難いです!はい!これからも応援よろしくお願いします。頑張ります(*´ ˘ `) (2018年8月23日 17時) (レス) id: e5c5450f1d (このIDを非表示/違反報告)
なる - あまり小説を読んで泣く事はなかったのですが、はじめて号泣してしまいました笑すごくステキな小説でした!これからも応援しています! (2018年8月22日 16時) (レス) id: cd5b1aaace (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - すみれさん» 素敵なコメントありがとうございます。この小説は私の初めて書いた作品なのでそう言って頂けて光栄です!まだまだ未熟ですが、努力していきたいと思います。応援宜しくお願いします。最後まで読んで頂き本当にありがとうございました! (2018年8月14日 23時) (レス) id: e5c5450f1d (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 私はあまり泣かないのですがこれを見てはじめてないてしまいました(小説で)こんなすてきな小説をかいてくれたちゃむさんには感謝しかありません。応援しているのでこれからも頑張ってください!! (2018年8月13日 21時) (レス) id: 444a9b6a20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃむ | 作成日時:2017年9月17日 18時