seventeenth ページ17
...
「 私と総悟との話はそんな感じかな。」
銀さんに私たちの過去を話し終わった。かなり長い話をするなか、銀時さんは私の方をしっかりとみて話を聞いてくれた。
私が話し終わったのを確認すると、銀さんはゆっくり息を吸って口を開いた。
「 何だと思ったら惚気かぁぁぁ。」
「 はぁ?」
話して早々、何を言い出すかと思ったら彼の一言目は "惚気"だ。
……今までのシリアスを返せ。
「 いや、アレじゃん?こんだけ話数使って、
結局分かったのは、両想いだったけど結ばれませんでしたーみたいな少女漫画的展開じゃん?」
「 え、銀さん少女漫画読んでるの。」
「 それはそれ、これはこれですぅー。」
口を膨らませながら子供のように駄々を捏ねる銀さんをみて思わず笑ってしまう。
過去編終わって早々に、生意気な口を叩く、
天パもとい銀さんには少しムカつくところもあるが……。
「 でも、ありがとな。」
さっきの様子とは打って変わって私にそういう銀さん。感謝の言葉なんて、言われたことはあまり無いから少し戸惑ってしまう。
「 言いたくなかったことを言ってくれて。」
「 ううん、こっちこそ。
ずっと心に溜めてたことを吐き出せて良かった。」
私がそう言うと、銀さんは少しだけ口角を上げて微笑んだ。窓の外を覗けば朝日が少し出ていて、キラキラと輝いていた。
少しの沈黙の後、銀さんはまた口を開く。
「 んで、おめェはその後どうしたんだ。」
「 一応、ミツバと江戸に行ったんだよ。」
「 銀さんもミツバにあったでしょ?」と迫ると、銀さんは凄く納得したような顔で首を縦に振った。
「 その後はずっと病院にいたの。」
震えそうな声がバレないように、明るい声色を使う。あの時のことはもう、思い出したくない。
銀さんは気を使ってくれたのか「 そうか。」とだけ言った。
(そうだ、あの時……。)
病院でのことを思い出しそうになった瞬間、唐突に吐き気が襲ってきた。胸が焼けそうなくらいに苦しくて、口からは血が沢山溢れ出てくる。
「 けほっ、ごほっ、、。」
「 大丈夫か!?おい、A!」
銀さんが私を呼ぶ声がする。
そんなことを考えながら意識を失った。
▷▶▷ 坂田銀時
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Okita - すっごく切ない。 こんな愛され方されたい/// SSで始めて泣いた・・・ (2019年8月3日 22時) (レス) id: c736cd8110 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - なるさん» わぁ!ありがとうございます。切ない話にしたくて頑張ったのでそう言って貰えて光栄です。読んで頂き本当に有難いです!はい!これからも応援よろしくお願いします。頑張ります(*´ ˘ `) (2018年8月23日 17時) (レス) id: e5c5450f1d (このIDを非表示/違反報告)
なる - あまり小説を読んで泣く事はなかったのですが、はじめて号泣してしまいました笑すごくステキな小説でした!これからも応援しています! (2018年8月22日 16時) (レス) id: cd5b1aaace (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - すみれさん» 素敵なコメントありがとうございます。この小説は私の初めて書いた作品なのでそう言って頂けて光栄です!まだまだ未熟ですが、努力していきたいと思います。応援宜しくお願いします。最後まで読んで頂き本当にありがとうございました! (2018年8月14日 23時) (レス) id: e5c5450f1d (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 私はあまり泣かないのですがこれを見てはじめてないてしまいました(小説で)こんなすてきな小説をかいてくれたちゃむさんには感謝しかありません。応援しているのでこれからも頑張ってください!! (2018年8月13日 21時) (レス) id: 444a9b6a20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃむ | 作成日時:2017年9月17日 18時