twenty - third ページ33
...
ミツバさんと沖田さんと過ごし始めて数週間が経った。2人とも良好な関係が築けている。
(―――沖田さんはちょっと違うけど。)
「 起きてくださーい。」
私の朝は何故か沖田さんを起こすことから始まる。同い年だと言うのにまた自分で起きられないらしい。
「 朝ごはんですよ?起きてくれません?」
いつもは数回起こしたら起きてくれるのに今日は全く起きる気配がない。おまけに規則正しい寝息をついていて、深く眠りについているようだ。
「 ん、んぅ。」
少し寝返りをつくと、こちらを向いた。いつもは入らない沖田さんの部屋に今日は無意識に入った。
「 沖田さん?」
彼の可愛らしい寝顔をみると何故か懐かしく感じる。
(・・・なんでか覚えてないけど懐かしいな。)
私には兄弟がいたのだろうか。両親といた記憶は少ししかない。私の目の前で亡くなったんだ。覚えているに決まってる。
「 そろそろ起きないとミツバ怒っちゃいます。起きてください。」
そう言うと、少し動いた。
「 え、起きた?」
「 ―――・・・そーちゃん。」
そう一言だけ言った。目は相変わらず瞑っていて、寝言だととれる。少し近づいて顔を近づける。
「 そーちゃん。」
呼んでみたくなってちょっと言ってみた。するとぐいっと腕を引かれて布団の中に入らされる。
「 え、ちょ。」
傍から見たら私が沖田さんに抱きしめられてるような形をしている。
沖田さんにはガッチリ腰を持たれていて離れることが出来ない。
「 そーちゃんって呼んでくだせぇ。・・・何処にも行かねぇでくだ、せィ。」
そう言って彼はゆっくり涙を流した。
その涙があまりにも綺麗で、それを見たのはそれが初めてだった。
( ...泣くってこんなにも素晴らしい事なんだ。)
そんなことを考えながら沖田さんをゆっくり抱きしめた。
▷▶▷ A
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ちゃむ(プロフ) - ルーミエさん» ありがとうございます!コメントを頂けるだけでこれからまた更新頑張れますっ!見させてもらいますね。有難うございます。 (2017年8月18日 12時) (レス) id: 595d5740d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーミエ(プロフ) - すごく面白いです。これからも頑張ってください!よかったら、私の作品も読んでください! (2017年8月17日 2時) (レス) id: 428e92d725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃむ | 作成日時:2017年8月11日 20時