twenty - second ページ32
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「 お前は今日からここの部屋だから。俺の部屋は隣だけど、極力話しかけんな。」
そう言われ、部屋に入ると雑にドアを閉められた。不意に見えた横顔は何だか寂しそうで何故か罪悪感が湧いた。
彼女ら、ミツバちゃんたちの両親はそーちゃんとやらが小さい時に他界。そうとなればアレだけシスコンになるのも分かる。
(・・・彼は一人なんだろうな。)
同情まではいかないが少なくとも自分とは似た部類にいると思う。唯一違うのは血の繋がりのある人がいるか、いないかの違いだ。
ミツバちゃんに聞こう。そう思ったら足が動いていた。
襖を開けると、夕御飯を作っているミツバちゃんがいた。
「 ミ、ミツバ・・・ちゃん。」
「 あら、Aちゃん。どうしたの?」
「 ミツバちゃんは寂しくないの?」
そう聞くと、ミツバちゃんは少し目を見開いて、すぐに微笑んだ。
「 寂しくないわよ。そーちゃんもいるし、十四郎さんや、近藤さんもいるから。それで今はAちゃんもいるからね。」
料理をしながら明るい声色でいう彼女は何故か暖かく感じる。顔は見えないが彼女は本当に幸せそうな顔をしているのだろう。
「 ミツバちゃんって言いにくかったらミツバで良いわよ。」
そう言ってクスッと笑う彼女はとても優しい。
可愛らしい訳でもなく、大人っぽい。
(・・・―――芯の強いひと。)
「 ありがと、ミツバ。」
歳上だとか気にせずにとりあえず名前で呼ぶことにした。
「 もう少しでご飯よ。」
「 あ、手伝う。」
その後に彼女の弟がきて、一緒にご飯を食べた。
机に置いてあったデスと書いてある赤い入れ物をご飯や、おかずにたっぷりとかけていたミツバは知らないと思いたい。
▷▶▷ A
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ちゃむ(プロフ) - ルーミエさん» ありがとうございます!コメントを頂けるだけでこれからまた更新頑張れますっ!見させてもらいますね。有難うございます。 (2017年8月18日 12時) (レス) id: 595d5740d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーミエ(プロフ) - すごく面白いです。これからも頑張ってください!よかったら、私の作品も読んでください! (2017年8月17日 2時) (レス) id: 428e92d725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃむ | 作成日時:2017年8月11日 20時