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総悟が病院に運ばれた。大量出血による意識不明の重体。手術室の前で手を合わせて祈る。
(・・・死なないで、死なないで総悟。)
手術室の赤い点灯が消える。今となって怖いという感覚が戻ってくる。
総悟は元気で生きなきゃだめ。
ミツバちゃんの分も私の分も・・・
あなただけは、あなただけは
元気でいて欲しいの。
手術室からお医者さんが出て来た。深刻そうなお医者さんに嫌気がさす。
「 一命は取り留めました。」
「 よ、よかった。」
ほっとしたのは束の間。私はその人から衝撃の事実を聞くこととなる。
「 しかし、意識不明です。目が覚めるかは分かりません。最善は尽くしました。しかし...」
「 ・・・っ!!総悟を助けて下さい。お金はいくらでも私が払います。お願いです。彼には、彼にはしあわせになって欲しいんです。」
「 分かりました。私たちも尽くします。あなたも無理はしていけません。看病はほかの方にまかせてあなたは寝て・・・「嫌です。」
「 総悟の看病は私がします。今から働きなおして総悟の治療費も私が繕います。だから先生は総悟を、絶対に助けて下さい。」
そこまで言うと私の担当医がこちらに来た。
「 外出許可は出します。何かあった時のために鎮痛剤を処方しておきます。無理は禁物です。いくら進行が遅いといっても貴方がギリギリの地点にいることは変わりありません。」
「 有難うございます。明日から退院させていただきます。」
お医者さんと私の担当医に頭を下げて総悟の病室に向かう。
(・・・・総悟、総悟。起きなさいよ総悟!!)
走りながらそんなことを考える。
入った病室の中には酸素ボンベを付けて色々な機械に囲まれている総悟がいた。
「 総悟。目を、目を覚ましてよ。」
総悟の手を握って涙を静かに流した。そこに後ろでドアにもたれ掛かっている人影。
「 ・・・―――土方さん。」
「 わりィ。」
貴方が謝ることなんてないのに。
▷▶▷ A
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ちゃむ(プロフ) - ルーミエさん» ありがとうございます!コメントを頂けるだけでこれからまた更新頑張れますっ!見させてもらいますね。有難うございます。 (2017年8月18日 12時) (レス) id: 595d5740d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーミエ(プロフ) - すごく面白いです。これからも頑張ってください!よかったら、私の作品も読んでください! (2017年8月17日 2時) (レス) id: 428e92d725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃむ | 作成日時:2017年8月11日 20時