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ノック音が聞こえて、ガラガラとドアが開く。
隙間からは部屋よりは少し冷たい空気が入ってきて一瞬にして鳥肌が立った。
「 こないだはどーも。土方さん。」
「 運んでやったんだ、感謝くらいしやがれ」
チッと言うと、煙草を取り出そうとしてポケットの中ににしまった。之も彼なりの優しさなのかもしれない。
「 それで今日は何の用?」
「 あぁ、お見舞いに・・・な?」
さっき売店で買ったであろう袋を私の前に翳して渡してきた。それを受け取り、中を覗くと、私の大好きなフルーツゼリーが入っていた。
「 土方さん・・・ありがと。」
「 どうってことねェよ。」
少し照れた表情でいる土方さんに私は「ふふ」と微笑んだ。
「 総悟に会わせてくれてありがとう。」
「 俺はンなことしてねェよ。」
「 何処までも素直じゃないのね。」
なぜ総悟が来たんだろう・・・と思ったが、多分きっと総悟が万事屋に訪れるのを見計らって銀さんを呼び、その伝でここに来させようとしてくれたんだろう。じゃなきゃ土方さんが銀さんに電話することなんて絶対にない。
(・・・過保護の兄みたいだ。)
そう考えていると電話が鳴った。私の電話ではなく、土方さんの電話だった。
「 わりィな。」
そう言って土方さんは電話に出た。その相手は近藤さんで仕事の話だそうだ。
「 そりゃァいいが近藤さん。粛清の方は大丈夫なのか。1週間後なんだろ。」
「 あぁ、粛清は明後日に変更なのか。大丈夫だ。隊員に伝えといてくれ・・・―――。」
電話の内容が少しだけ分かる。明後日、粛清するんだ。多分派手な戦いになるだろうから怪我人も増える。
総悟は大丈夫だろうか、
いや、彼は強い。大丈夫だろう。
そう信じたい。
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・・・―――不幸は突然に。
▷▶▷ 沖田総悟
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ちゃむ(プロフ) - ルーミエさん» ありがとうございます!コメントを頂けるだけでこれからまた更新頑張れますっ!見させてもらいますね。有難うございます。 (2017年8月18日 12時) (レス) id: 595d5740d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーミエ(プロフ) - すごく面白いです。これからも頑張ってください!よかったら、私の作品も読んでください! (2017年8月17日 2時) (レス) id: 428e92d725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃむ | 作成日時:2017年8月11日 20時