thirteenth ページ13
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ミツバさんはそれから泡のように消えていった。跡形もなく。
「 ミツバちゃん!?ねぇ、。」
私はしゃがんで頭を抱える。どうすれば良いんだろう。総悟に会いたい。会えない。
2つの選択が頭を駆け巡る。
「 総悟、総悟、助けてよ総悟。」
真っ暗闇の中、私の唸り声だけが鮮明に聞こえる。呼んでも総悟は来ないのに。
「 あい...たい。会いたいよ。 」
また1粒の涙が流れた。
ポタポタと着物にシミをつくる。
そうするとふと右手に触れられているような温かい感覚がおこった。優しく包み込まれているような。
「 そ、うご、総悟っ。」
暗闇の中で少しの光の方へ走る。
縺れかける足もすべて無視をして走った。
転けても這い蹲って起きた。
やっと光が見えてコチラに差し出している手が見える。あの手はこの匂いは、全て総悟だ。
「 総悟!!!!」
手を掴むと私の体はどんどん消えていった。
不意に見えた彼の顔は笑っていたような気がした。
____
目を開けるとそこは見たことのある天井だった。右手にはやっぱり温もりが残っていて、自分の右手を虚ろな目で確認する。
「 ・・・―――総悟。」
「 遅起きだねィ...お姫様。」
その瞬間私は総悟に抱きついた。
離れないようにギュッと抱きしめた。総悟も抱き締め返してくれて、やっと。
温もりに触れることができた。
私は相変わらず泣きながら総悟の肩に頭をうめる。総悟は私の背中を規則正しくポンポンと撫でながら強く優しく抱きしめた。
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「 好きだよ。総悟。」
「 俺も好きでさァ。」
▷▶▷ A
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ちゃむ(プロフ) - ルーミエさん» ありがとうございます!コメントを頂けるだけでこれからまた更新頑張れますっ!見させてもらいますね。有難うございます。 (2017年8月18日 12時) (レス) id: 595d5740d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーミエ(プロフ) - すごく面白いです。これからも頑張ってください!よかったら、私の作品も読んでください! (2017年8月17日 2時) (レス) id: 428e92d725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃむ | 作成日時:2017年8月11日 20時