93、光坊は今 ページ43
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グイッ！
鶴丸さんが私の胸倉を掴んで引き寄せた。
「あんたは主とは違うと思ってたのに！光坊になんであんなことした！！！
どうして光坊の自由を奪うような真似をしたんだ！！」
光坊…光忠さんのことだろう。
私は昨晩のことだと思っていたけど…。
自由を奪う？どういうこと？
「どういうことですか？」
「とぼけるな！光坊を部屋の柱に縛り付けたのはあんただろう！！」
部屋の柱に縛り付けた…？
「落ち着け、鶴。誤解だ。」
三日月さんの声を聞いて鶴丸さんはようやく私の襟首から手を離した。
「誤解？三日月、何か知っているのか。」
「あぁ。」
「一体どうなっているんですか。教えてください、三日月さん。」
三日月さんは私を見て少し言いづらそうな顔をする。
やがて口を開いた。
「鶴にも分かるように話そう。
昨晩、泉の部屋に燭台切が夜這いに行ったんだ。」
「なっ…光坊がそんなことするはず…まさか！！」
「そのまさかだ。大倶利伽羅のことが頭にあって、追い詰められていたようだった。
だが…泉はそれを拒絶した。」
「なんでだ？女人は皆夜伽が好きなのではないのか？」
鶴丸さんの言葉がざっくり刺さる。
「それは…」
「滅多なことを言うものでは無い。そんな阿婆擦れは主だけだ。好きでもない男と寝るなど苦痛に決まっておろうが。」
三日月さんが庇うように言葉を継いでくれた。
初めて会った時に私に刀を突きつけてきた三日月さん。
そんな方に今庇われているなんて、なんだか不思議な感じだ。
「話を戻すぞ。
その後、冷静になった燭台切は自分のやった事が許されないことだということに気がついたようでな、自らを叩き折ろうとした。」
「っ！！」
「居合わせた一期一振の説得でその場で折れるのは思い留まらせたが、いつ自ら刀解しに行くか分からないような状態だったのでな。燭台切の提案を受け入れる形で柱に括りつけておいた。」
一息つくと三日月さんは私を見た。
瞳の中の月に捕らわれたように、目が離せない。
「燭台切はな、お主の恨み言のひとつも聞かぬままでは卑怯だ、と言って今も命を留めている。
お主に会ったら…きっと刀解するように頼んでくると思う。」
「刀解…って…」
刀解とはな……
「殺してくれ、という事だ。」
ヒュッと喉の奥が鳴った。
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます！修正します！ (2019年8月2日 10時) (
レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません！沖田君は、一番組組長だと思います！ (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫水 | 作成日時：2019年6月8日 8時
