92、嫌がらせ ページ42
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泉side
「まぁ、そんなこんなで半分自業自得なんですけど男の人全般が駄目になった時期があって…」
「泉…。」
「でもそれもだいぶ治って来たと思ってたんですけどちょっとした拍子に戻ってきちゃうみたいなんですよねー。だから…」
「もう、よい。」
「あっ、す、すみません。聞きたくも無い話を長々と…」
「もう…無理して笑わずともよい。」
三日月さんの親指が優しく目の下を拭う。
その時はじめて自分が泣いていたことに気がついた。
「話しづらいことを話させてしまってすまなかった。」
「…やめてください。」
優しく撫でてくれていた手を引き離す。
「この話聞いて、三日月さんも分かるでしょう？私に優しくする価値ないです。」
こんな厄病神に優しくする価値なんてない。
2人の死という大きな罪。
その贖罪に私は、私のような人をもう生み出さないように力を尽くすと決めた。
そして…
「私みたいなやつは、苦しみながら生きていけばいいんです。」
だからもうやめて。
優しくしないで。
縋ってしまうから。
「そうか。」
言うなり三日月さんは私に近づいて
ギュッ
優しく、けれど、逃れられないように抱きしめた。
「これは優しくしている訳では無いぞ。
男が嫌いなお主へのちょっとした嫌がらせというやつだ。」
そんなことを言いながら、頭を胸に押し付けられた。
ぽんぽん、とあやすように手が頭の上ではねる。
そうか、嫌がらせか。
だったら…受け入れてもいいだろうか。
少しぐらいなら、縋ってもいいだろうか。
目の前の青い狩衣を両手で握りしめた。
父と同じ大きな体。
けれどこの人はただ暖かいだけ。
不思議と嫌悪感はなかった。
ドダダダダダダダダダダ
バンッ！
「いた！！泉っ！！こんなところにいたのか！！」
縁側から慌ただしく駆け込んできたのは鶴丸さんだ。
突然の乱入者に我に返った私はバッと三日月さんから離れた。
傍から見たら男女が抱き合っているだけだ。
なーにを馬鹿なことをしてんだ私は！
顔が一気に熱くなった。
「いつものように戻ったようだな。
はっはっは、よきかな。」
良くねぇよ！！！
恥ずか死ぬわ！！！
でも三日月さんのおかげでいつもの調子が戻ってきたとは思う。
そんな熱くなる思考は一気に冷まされることとなった。
グイッ
鶴丸さんが私の胸倉を掴んで引き寄せたのだ。
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます！修正します！ (2019年8月2日 10時) (
レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません！沖田君は、一番組組長だと思います！ (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫水 | 作成日時：2019年6月8日 8時
