81、一期一振の叫び ページ31
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三日月宗近side
振り上げた刃。
俺はその後に何が起こるのか、分かってしまった。
何故ならそれは何度も見た光景だったからだ。
「やめろっ！！！」
刃の向かう先は硬い地面。
止めなければ…でもっ！！
俺の起動では間に合わない！
燭台切が
折れる…ッ
ドカッ
吹き飛んだのは折れた刃ではなく燭台切の大きな体躯。
そして殴り飛ばしたのは…
「なんで邪魔するの…一期くん。」
一期一振だった。
「なんで、はこちらの台詞です。自刃なんて…」
「僕は取り返しのつかないことをしたんだ。主と同類になるくらいなら、刀解された方がましだよ。」
パン！
突如響いた音が、あの温厚な一期一振が平手打ちをした音だと気付いたのはそれから少しした後だ。
一期は燭台切の胸元を掴み上げて引き寄せた。
「貴方はどうして！そのように自分のことばかりなんですか！！」
「…っ！」
燭台切が目を見開く。
「貴方がそういう風なら私も自分勝手なことを言わせていただきます。
私は、もう二度と誰も失いたくない！！
自刃など、もう誰にもさせたくない！！
そんなものは見たくない！！
死に逃げるな！卑怯者！！」
握った襟を揺さぶりながら一期一振が叫んだ。
「一期くん、それくらいにしておきなさい。」
肩に置かれた石切丸の手に、はっとしたように襟から手を離す。
尻もちを着いた格好の燭台切には歌仙が寄り添った。
「…すみません。」
「いや…」
目を伏せたまま燭台切が続ける。
「僕は、生きなくてはいけないね…少なくとも泉ちゃんがまた目覚めるまでは。
でもふと静かになると僕はまた自分を壊そうとすると思う。
お願いだよ一期くん、僕を柱にでも縛り付けておいてくれないか。一期くんの言う通り、泉ちゃんから恨み言の一つも聞かないまま折れたら僕は卑怯だ。」
「…っ、光忠殿！！」
「もうよい。」
全ての目がこちらを向く。
「一期一振、お主の気持ちはよくわかった。
燭台切もそれが分かったからこその自分なりの自制だろう。受け入れてやってくれまいか。」
一期一振が拳を握り締めて顔を伏せた。
「燭台切、お主は今は混乱しているんだ。
少し休め、そして心を落ち着かせよ。
歌仙…気は進まんが、落ち着くまでは部屋の柱に縛ってやってくれ。」
一期一振と石切丸、燭台切と歌仙はそれぞれ立ち去った。
急に静まったような気がする。
「あれだけ騒いでも起きぬか。」
その女は未だ眠り続けていた。
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます！修正します！ (2019年8月2日 10時) (
レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません！沖田君は、一番組組長だと思います！ (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫水 | 作成日時：2019年6月8日 8時
