61、水の巫女 ページ11
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鶴丸国永side
身を裂かれるような苦しみ。それがどんなものなのかは身をもって知っている。
俺達は解放された、他ならぬ泉の手によって。
だがその泉は今もまだその苦しみの中にいるっていうのか。
それなのに俺達のことを救おうとしてくれているのか。
ふっ
その時、霊気の奔流が止んだ。
「すいません…もう…限界です…」
途切れ途切れにそう言うと膝から崩れ落ちた。
床に落ちていく寸前、思わず受け止める。
「お、おい！」
「ごめん…なさい…まだ…足りない…のに…」
消え入りそうな声で呟く。
俺はそのまま彼女を抱きしめてしまった。
力の入らない体は、少し力を加えれば折れそうなほどに頼りなかった。
「もういい、もう十分だ。十分、伝わった。」
相手は人間。
それも、あの主を斥けるほどの力を持った女だ。
人間は憎い。人間は恐ろしい。なのに…
こんなの…どうやって憎めばいいっていうんだ…
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『ただいま。遅くなってごめん。』
『おかえりなさい。』
おかえり、今日もお仕事お疲れさま。
『今日も会社でさ…』
だめ
『お、今日はシチューかー』
泣いちゃ、だめ
『美幸も晩御飯まだなんだろう？一緒に食べよう。』
泣いたら…
『泣かないで。ほら、俺が慰めてあげるよ。』
泣いたら、始まってしまうから。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…きて…！…ねぇ…起きて！」
「はっ！」
夢…だよねぇー…
久しぶりだ、あの夢を見るのは。
気持ちを落ち着けようと大きく息を吸って
むせた。
「ど、どうしたんだい！？ほら水だよ。」
差し出された水を慌てて飲み込むと、咳は落ち着いた。見れば緑の人と白の人が心配そうにこちらを見ている。
思い出した、さっきまでの神事で監視役だった方々だ。
「もう大丈夫です。お見苦しいところをすみませんでした。
ところでお二人は…」
「あ、そうか！自己紹介をするのを忘れていたな！
俺は鶴丸国永だ。さっきは驚きをありがとう！」
「はぁ…礼を言うのはそこじゃないだろう、鶴丸。
私は石切丸。随分と魘されていたようだったから起こしてしまったけれど、大丈夫かい？」
「気にしないでください。よくある事なんです。」
白い方が鶴丸国永さん、緑の方が石切丸さんね。
手をひらひらと振って大丈夫だと言うと、二人ともしぶーい顔をした。
あの、美形が台無しですよ？
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます！修正します！ (2019年8月2日 10時) (
レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません！沖田君は、一番組組長だと思います！ (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫水 | 作成日時：2019年6月8日 8時
