62、その霊力の根源は ページ12
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「修繕の儀で力を使いきって倒れたところを運んできたんだ。覚えているか??」
そうだ、またぶっ倒れたのだ私は。
昨日の今日で何をやっているんだろう。
「ご迷惑おかけしてすみません。」
「なぁに、気にする事はないさ。いい驚きを貰ったからな。」
「驚き?ひょっとして修繕は失敗…」
「まさか!大成功だぜ!」
前のめりの鶴丸さんの横で石切丸さんもうんうん頷いている。
そういえばこの部屋も心做しか明るく綺麗になっている気がする。元を知らないからなんとも言えないけれど。
「…よかったぁー…」
めーちゃくちゃ緊張していたのだ。
ほんとに良かった。
「正直なことを言うとな、『本丸を修繕したい』だなんてこの女はご機嫌取りに必死だなって思ったんだ。まぁ出来るわけないけどやるって言うなら利用してやろう、なんてそんなことを考えてた。」
「ちょっと鶴丸!」
「いいんです。続けてください。」
どう思っているのか、知れるのは貴重だ。
例えどう思われていようと受け止めたい。
「だがな、神事が始まった時そんなことを考えてた自分が恥ずかしくなったよ。溢れ出た君の霊気は、この上なく清らかだったからな。
…どうした石切丸、そんな微妙な顔して。厠に行きたいなら行ってこればいいのに。」
「別に我慢してる顔じゃないよ!!!」
確かに微妙な顔をしている石切丸さんが口を開いた。
「私は神社暮らしが長くてね、他の刀剣達よりも霊気に対する感受性のようなものが高いんだ。
泉さん、といったね。確かに君の霊力は清らかで、かつ強大だ。
でも、君の霊力の根源は決して穏やかなものでは無いのが分かったよ。
…贖罪、なんだろう?」
ドクン
「何か過去に蟠りが残っているのではないかな。これほど良くしてもらった恩もある。話してくれれば何か力になれるかも…」
「石切丸さん。」
思わず、遮ってしまった。
「私は貴方達が過去にどんなことがあったか詮索したりはしません。傷を直して、心が穏やかになるような環境を作ったらすぐに出ていきます。
だから…。」
だからやめて、詮索しないで。
私の中に踏み込まないで。
なんて言っていいかわからなくなって
どうしてもきつい言い方になってしまいそうで
口を噤んだ。
「…すまなかったね。無遠慮が過ぎたようだ。」
私は今どんな顔をしているんだろう。
石切丸さんが辛そうな顔をして私を見つめていた。
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます!修正します! (2019年8月2日 10時) (レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません!沖田君は、一番組組長だと思います! (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫水 | 作成日時:2019年6月8日 8時