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【第1章 : 3話 言えない】 ページ5

徽章探しを手伝ってくれるという青年と共に王都の町並みの歩く。
目的の徽章探しはというと―――青年もエミリアも土地勘が皆無。Aに任せきりの状態。
なんとかAが奮闘するも、完全に行き詰まっていた。

『先輩に…いや、でも……』

顎に手を当て、どうしたものかとAは思考する。と、青年はAの騎士団の制服に目を止めた。

「あのさ、君は役人さん…とか?」

『言ってなかった?私は近衛騎士団に所属する騎士だって』

「そんなこと一言も聞いてねぇぞ!?騎士だったのかよ」

“近衛騎士団、唯一の女騎士“Aが入団した当時は、話題になったものだが、青年は本当に知らないらしかった。

「普通は騎士って男がなるものじゃないの?普通に女の人もなれる感じ?」

『―――私は特例だから』

少しの沈黙の後、Aは簡潔にそう答える。
青年は何を勘違いしたのか目を輝かせた。

「騎士に憧れてたから特例で入ったって感じ?羨ましいなお前!」

バンバンAの背中を叩いてくる青年に、ムッとして、彼から少し距離を取った。

「…何か違う気が」

そう言って青年は自分の手を不思議そうに見るけれど、「ま、いいや」と深くは考えないように切り替えたらようだ。
その様子にAは密かに安堵する。

「騎士はそう簡単になれるものじゃないわよ……えっと…」

少しだけ眉を寄せるエミリアに、青年やAは首を傾げる。だが、パックはその意を酌んだようで、そう言えば…と話を切り出した。

「まだ名前も聞いてないよね。僕はパック。よろしく!」
「よろしくな!さて、次は俺といこうか」

パックと握手を交わし、やって参りましたと言わんばかりに自信満々の青年は、指を天に向けて、ポーズを取った。

「俺の名前はナツキ・スバル! 無知蒙昧にして天下不滅の無一文! ヨロシク!」


予想通り、ダメダメ人間ぶりを発揮するスバルにAは、はぁ…と溜息。

「ちょっ…何その反応!?」
『私はAだから。ヨロシク』

反発するスバルをスルーして、簡潔に名乗る。無愛想な紹介に不満そうなスバルだったが、“A“か…と小声で呟く辺り、そうでも無いらしい。

「君の名前は?」

スバルが最後に、エミリアへと目を向ける。
驚いたように目を見開いたエミリアは、数秒の沈黙のあと

「―――サテラ。私の本名はサテラよ」

Aの主は、偽名である“サテラ“を本名だと言い切ったのだった。
しかも、皆が畏怖する【嫉妬の魔女】の名を

【第1章 : 4話 放っておけなくて】→←【第1章 :2話 初めまして】



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玲紋。 - 面白いです!読んでいて楽しいです!先が気になります。更新、頑張ってくださいね! (2017年2月1日 19時) (レス) id: 717061f029 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - ラキさん» すみません…現実の生活と小説を書く事の両立が難しくなっていまして本当に申し訳ないです。迷惑をおかけしますが気長にお待ち下さい。 (2017年1月30日 21時) (レス) id: 050b98d021 (このIDを非表示/違反報告)
ラキ - 最近更新してませんねー (2017年1月29日 22時) (レス) id: e83b796b67 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - 飾華さん» 最高とまで言って下さり有難う御座いました!更新遅くなってすみません!なるべく出来るように頑張ります (2016年10月18日 22時) (レス) id: 050b98d021 (このIDを非表示/違反報告)
飾華 - もう最ッ高です!次の展開が楽しみすぎる (2016年10月18日 17時) (レス) id: 7cff2cbe6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁風の夢 | 作成日時:2016年6月3日 21時

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