天才転校生たちは知っている

20話 ページ20

アーヤside

「どうぞ！」

促されて菜月ちゃんの部屋に入る。

菜月ちゃんが「私の部屋においでよ！」って言ってくれてお邪魔しているところ。

まあ、私が使わせてもらってるお部屋でも良かったんだけどね。

菜月ちゃんの部屋は整頓されていて、それでいて個性が所々ににじみ出てる感じ。

「何して遊ぶか、希望ある？」

「うーん。菜月ちゃんが一番好きなやつをやりたい！」

「オッケ！」

菜月ちゃんは勉強机の隣にある棚を探る。

「私が二人でやれるトランプゲームで一番好きなのはトランプのスピード！早速やろ！」







「つ、強すぎるよー。」

ただいま、スピードを8回連続でやって8回全て負けてます。

「ごめんごめん。次は彩ちゃんの好きなゲームをやろうか？」

「私が好きなゲームかぁ。」

元からあまりゲームやらないからなぁ。

好きなゲームってなんだろ？

「そういえば、若武達が彩ちゃんのことをアーヤって言ってたけどニックネームなの？」

「そうだよ。ずっとそれで呼ばれてる。」

「じゃあさ、私もそれで呼んでいい？私のこともナツって呼んで！」

え、急に！？

「迷惑じゃない？」

「迷惑だったら言わないって！彩ちゃんがどうしても嫌ならやめるけど。」

そういう意味じゃないよ！

「私、ナツって呼びたい！」

「決まり！アーヤ、よろしくね！」

「よろしく！ナツ！」

「で、いい感じになってるところ悪いけど。」

急に違う声が聞こえた。

「海斗君！風馬君！」

「んー？どうした？」

ちょっと、ナツ！

男子が急に入ってきたにしては吞気過ぎない！？

「だってさっきからノックうるさかったじゃん。」

え！？気付かなかった。

「ま、それよりさ。カイとフウもアーヤって呼びなよ。そうしたらアーヤをあいつらから奪えるかもよ？」

え、奪うって？

「恋愛には興味ねぇよ。」

「俺も興味がないわけじゃないけどまだよくわからないからいいかな？」

？？なんで恋愛の話になるの？

「アーヤはカイとフウって呼びたい？」

え、私？

「海斗君と風馬君が構わないのなら呼びたいかな？仲良くなった証明みたいな感じがするし。」

二人は顔を見合わせた。

「ニブいよな？」

「分かった。ニブい。認めるよ。」

海斗君、認めないでよ！

「ま、良いよ。ニックネームで呼んでも。」

「俺も。俺達にもアーヤって呼ばせてね。」

風馬君・・・じゃなくてフウは何か言いたげだったけどカイに見つめられて仕方なく黙ってしまった。

何だったんだろ？

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