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額を抑えながら少し俺を睨みつけたAの頭をぐしゃりと撫でた。
いつだか姐さんには「あの娘にだけは甘い」と判を押されてしまったがそんな事はない。
単純に、危なっかしいだけだ。
Aは自分の腕時計を見てハッとした顔をする。
「じゃあ私行きますね。ありがとうございました」
「…おう」
慌ただしく足音を立てて其奴は俺に背を向けた。
手に伝わる柔らかい髪の感触がなくなった事に軽く寂しさを覚えながら手を離す。
背を向けたAの揺らめく髪を見て、「今日はもう会うこともねえか」などと考えた。
そろそろ俺を仕事に向かわなければ、と足を進めようとした時、曲がり角でAは俺をちらりと見ると少しだけ笑って手を振る。
ーーー胸が妙な音を立てて鼓動を増した。
慌てて軽く手を振り返すと、Aは満足そうな顔をして角を曲がり見えなくなった。
『目が離せない理由』は、危なっかしいからだとばかり思っていた。
…いや、それも間違ってはいない筈だ。
しかしそれとは別に、俺には一生縁がないと思ってた『感情』に気がついてしまった。
その瞬間顔に一気に熱が登る。
いきなり突きつけられた現実に戸惑いながら雑に頭を掻いた。
風呂上がりの熱はとうに冷えた筈なのに、俺の顔の熱は増すばかりで思わず口元を隠してしゃがみこんだ。
自覚してしまえばもう遅い。
蘇る笑顔、柔らかい身体の感触や髪質、それから笑顔が鮮明に蘇ってため息をついた。
(……くそっ、なんで今まで気がつかなかったんだ……)
次会った時どんな顔すりゃいいんだ、と頭を抱え込む。
熱を冷まそうと試みたが、結局どれも役には立たず。
しばらくはその熱を元に『初めての感情』とやらを噛み締める羽目になった。
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紅月天音(プロフ) - 霊夢どうふさん» ありがとうございます!!更新は遅いですが、お話の質は落とさないようにしていきたいと思います! (2018年7月26日 13時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - 芥川さんが多い上に描写がふつくしすぎる!更新頑張って下さい! (2018年7月26日 1時) (レス) id: 8add41b466 (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - ワッさん+aさん» 素敵な感想をありがとうございます!!今後も期待に応えられるようにお話を作れたらいいなと思いますので、よろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - 背景と、主人公の心情の移り変わりがとても細かく書かれていて素敵です!!!! 惚れました!!!!之からも楽しみにしています!!!! 更新頑張って下さい!!! (2018年3月30日 21時) (レス) id: 0cdcac71cf (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - 紫猫日和さん» 大変長らくお待たせいたしました!すみません、芥川sideは難しくて中々筆が進まず…!ようやく完成いたしました!リクエストありがとうございました!またお気軽にどうぞ! (2018年1月24日 17時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅月天音 | 作成日時:2017年10月16日 17時