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「はぁ？何故、って…明日の任務の作戦は手前が製作する予定だったろ。」
へ？と言う声とともにぴたりと動きが止まる。
それと同時にじわりと溢れてきた涙も引っ込んでしまった。
それから昨夜の記憶を早急に蘇らせる。
「あああッ！そ、そうだった…！」
芥川先輩の件ですっかり忘れていた。
明日は芥川先輩が任されている任務とは別に、中原幹部単独で乗り込む組織の弱点や作戦を書き上げた資料を届ける予定だった…。
私は中原幹部の部下ではないけれど、作戦作成はよく回ってくる。
…何故私如きの案が通るのかはわからない。
「あの、もうできてるので！」
「別に急がなくていい。どうせ手前の事だ、また書類書き間違えて落ち込んでんだろ？」
うぐっ、と変な声が出た。その通りだけども。
中原幹部は呆れる事も怒る事もせず、少しだけ笑って「馬鹿だな、」と。
それは即ち中原幹部なりの慰め方で、少し安心して肩の力が抜けた。
「………私はやはり…芥川先輩に嫌われているのでしょうか……」
いつも私が失敗すると私ではなく他の部下に仕事を任せる。私は芥川先輩の部下になってから1度も戦闘任務に連れて行った貰った事がない。
それに、それに…、
「ぅぐッ…私、芥川先輩にクビにされちゃうかも知れないですっ…」
「な、なんで泣くんだよ…！」
焦ったような中原幹部の声が届いても、ポロポロ溢れる涙は止まらなかった。
ああ、好きなのに。誰よりも好きなのに。
どうしてこんなに空回りしてしまうのだろう。
「ごめんなさい……」
幹部の前でいつまでもメソメソしていられない。と思い、グイッと涙を拭った。
今は仕事中。泣いてる場合ではないのだ。
よし、と気合の入ったふりをする。
それも勿論空元気で、芥川先輩の事を考えると涙が溢れてしまうため空っぽの笑顔を貼り付ける。
「…あの、後で…書類持って行くので」
「あ、オイ！」
ごめんなさい、と心の中で叫びつつ、中原幹部に背を向けて走った。
自室に戻り、書類を手にすると時計が目に入った。
2時45分。
この時間はいつも珈琲を芥川先輩の元へ持って行く。芥川先輩に頼まれた事ではなく自己的にやっている事で、『迷惑だ』と言われたらそれまでなのだけれど。
今のところはっきりとそうは言われていない。
さっきミスをしたばかりで持っていくのも…とは思いつつ。
「…………でも、顔見たいし」
そんな自分勝手な事情だけど、恋心には勝てない。私は珈琲を作り始めた。
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紅月天音(プロフ) - 霊夢どうふさん» ありがとうございます！！更新は遅いですが、お話の質は落とさないようにしていきたいと思います！ (2018年7月26日 13時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - 芥川さんが多い上に描写がふつくしすぎる！更新頑張って下さい！ (2018年7月26日 1時) (レス) id: 8add41b466 (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - ワッさん＋aさん» 素敵な感想をありがとうございます!!今後も期待に応えられるようにお話を作れたらいいなと思いますので、よろしくお願いします！ (2018年3月31日 12時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん＋a(プロフ) - 背景と、主人公の心情の移り変わりがとても細かく書かれていて素敵です!!!! 惚れました!!!!之からも楽しみにしています!!!! 更新頑張って下さい!!! (2018年3月30日 21時) (レス) id: 0cdcac71cf (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - 紫猫日和さん» 大変長らくお待たせいたしました！すみません、芥川sideは難しくて中々筆が進まず…！ようやく完成いたしました！リクエストありがとうございました！またお気軽にどうぞ！ (2018年1月24日 17時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅月天音 | 作成日時：2017年10月16日 17時
