妖怪ウォッチシャドウサイド〜群青の絆〜

トウマを救いに ページ8

ジバニャンを仲間に入れたナツメたちは妖魔レーダーの指す、鬼まろのリーダーのところへ急いだ。

ー空港ー
「さあ！もっと僕に従う者を増やしてくるんだ！」
トウマは鬼眼ギアのついた左手をカオデカ鬼に向け、指示を出す。

空港に着いたナツメたちはリーダーが見える近くの柱に移動し、身を潜めた。
「あれは…トウマくん…！」
ナツメが小さく呟く。式部はリーダーを知っているため動じないが涙を必死にこらえている。
「お知り合いで？」
ウィスパーがナツメに向かって尋ねる。
ナツメは頷くと手短に話す。
「あっちは覚えてくれているかわからないけど…」

コソコソ話すのを続けているとカオデカ鬼が群れになって近づいてきた。
「うわっ！！」
「隠れてないで出てきたらどうだい？」
トウマが柱の方へ声をかける。

ナツメが飛び出し、トウマに呼びかけた。
「なんでこんなことするの！？あなたはもっと優しかったじゃない！」
訴えるように呼びかける。
「(なんだ。トウマくん、1人じゃないじゃない。ちゃんと見てくれている人がいるのに…！)」
式部は涙が出そうな衝動を抑え、静かにその場面を見ていた。

「君に何がわかるの？僕が優しい？どこをどう見たらそう思うの？僕は誰からも必要とされてない。だから僕の存在を世界に知らしめてやるんだ！僕の存在を！」
式部は思わず飛び出した。
「そんなことない！どうしてそう思うの？トウマくんはずっと優しかった！体が弱かった私だって元気になれたのはトウマくんのおかげだよ！！他の誰がどう思ってるのはわからない。けど！ナツメちゃんや私はトウマくんのことを必要としている！元にッ、戻ってよ！！！」
「式部…」
トウマは俯く。だがまたしばらくして…
「式部だって…式部だって僕を捨てた！ずっと、ずっと一緒にいるって約束したのに…式部は約束を破った！式部さえも、僕を見放した。偉そうに言わないでよ！」

式部は言葉を失う。トウマの言ったことに二言はない。
ただ、捨てていない、見捨ててなどいないといないと伝えたかった。
式部は口を開く。
「見放してなんかいないよ。病気の療養のために行ったの。私は、トウマくんと離れたくなかったんだよ…だけど、もう一度、トウマくんと一緒にいるために、今度はずっと一緒に居られるように、ずっとずっと苦しかったけど病気治してきたんだよ。本当は、トウマくんと一緒に居たかったけど…！見捨ててなんか居ないよ。だけど、まだそういうのなら…」









『力ずくでも元に戻す！』

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