ー139ー ページ4
ーAsideー
次の日の朝。
私たちは今、壁の外へ通じる門の前に居る。
ついにこれから、外に出るんだ。
正確にはウォールマリアだから、
外では無いけど。
ﾐｹ｢A、緊張するか？｣
貴｢いえ、なんだか、思いの外落ち着いています。｣
ﾊﾝｼﾞ｢Aはすごいね！大の大人でも
逃げ出したくなるような場面なのに。｣
貴｢あはは、ここまで来たら
もう逃げ場はありませんよ。それに、
私は人類最強の教え子なんですから！｣
そうだ。
私は人類最強であるリヴァイさん直々に鍛えられた。
そんな私が怯む訳に行かない。
壁の中で怯えて暮らす人達のために、
私の守りたい、大切な人達のために！
成果を上げて、
胸を張って帰ってくるんだ。
ﾐｹ｢…大丈夫そうだな。｣
ﾊﾝｼﾞ｢そうだね。今日はいつもより一層
Aが輝いて見えるよ。｣
貴｢…時間ですね。｣
ガラガラと鎖の音が辺りに響き渡り、門が徐々に開いていく。
エルヴィンさんの掛け声に合わせて一斉に馬を走らせて壁の外に出る。
貴｢…ここが、壁の外。｣
ﾐｹ｢壁の外とは言っても、ここは最近まで
内側だった場所だ。A、油断するなよ。｣
この先にある、シガンシナ区。
そこには私の思い出が詰まってる。
エレン、ミカサ、アルミンと出会った町。
まだ、幼くて知らなかった
巨人の脅威。
ポツポツ家があるけど、どれも倒壊していて巨人の恐ろしさが伝わってくる。
ﾐｹ｢信煙弾だ。左翼後方に巨人を確認したようだな。｣
貴｢了解です。｣
ﾐｹ｢信煙弾は俺が打つ。Aは
はぐれないように着いてこい。｣
貴｢はい！｣
ミケさんが信煙弾を打つ。
それを次の日班が見てまた信煙弾を打つ。
目的地の巨大樹の森まで何とか戦闘を避けつつたどり着ければ良いけど。
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作者名：那月 | 作成日時：2021年2月3日 0時
