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ーAsideー
夢の中で聞こえた声が教えてくれた。
｢そうだ、あなたの銀の涙。あれは大切な人に
渡しなさい。そうすればまた、会えるから。｣
そう言われてから、
リヴァイさんに持っててもらおうって決めた。
貴｢私の、涙。あれを持っていてい下さい。
そうすれば、必ずまた会えます。｣
ﾘｳﾞｧｲ｢…嘘じゃねぇだろうな。｣
貴｢私がリヴァイさんに嘘ついた事ありますか？｣
ﾘｳﾞｧｲ｢何度もあるじゃねぇか。｣
貴｢えへへ、そうでしたね…｣
私の笑いにつられてリヴァイさんも軽く微笑む。
でも、やっぱりその表情は寂しそうで、
辛そうだった。
でも、そうだよね。
私、これからリヴァイさんと一緒に
長い時間を過ごすはずだったんだ。
なのに、私は…
ううん、これでいいんだ。
リヴァイさんにはいくら謝っても足りないし、
いくら感謝しても足りない。
でも、あの時、
ペトラさんを助けたのは間違いじゃない。
これで良かったんだ。
さっきより酷く体が痛む。
内側から壊れて行くのが分かる。
もう少し、リヴァイさんと一緒に居たかったけど
もうダメなんだな。
でも、最後に、
最後にこれだけ。
貴｢リヴァイさん｣
ﾘｳﾞｧｲ｢…なんだ。｣
リヴァイさんの首に手を伸ばし引き寄せる。
貴｢…リヴァイさん、愛しています。｣
((ちゅっ))
ﾘｳﾞｧｲ｢！？｣
リヴァイさん驚いてるかな。
でも、私はずっとこうしてリヴァイさんに触れたかった。
叶う事なら、リヴァイさんと一緒に長い時間を過ごして、
子供も作って、
毎日、ささやかな幸せの中で暮らして行きたかった。
でも、もう無理だから
これくらいは許して下さい。
ﾘｳﾞｧｲ｢…っ、俺も愛してる。｣
貴｢はい…また、会いましょうね。｣
本当はさよならって言うべきだったんだろうけど、
さよならは言わない。
だって、また会えるから。
夢で聞いた事だから、定かじゃないけど
きっとあの声はお母さんの声。
だから、信じる。
また、会えるから。
さよならは言わない。
次はもっと幸せな世界で、
それこそ、最後まで
さよならまで、
幸せ色一色で生きるんだ。
私は静かに目を瞑り
光を消した。
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作者名：那月 | 作成日時：2021年2月3日 0時
