ー157ー ページ23
ーAsideー
ゆっくり目を開ける。
どれくらい目を瞑ってたのかな
思い出せないけど、
随分長い間目を瞑ってた気がする。
瞼も重いし、体は思うように動かない。
この体も限界が近いのかもしれない。
天井はいつものリヴァイさんの部屋。
横を向くと、リヴァイさんが座って
私の手を握ったまま寝てた。
すごい隈だ…
また仕事のし過ぎなのかな？
貴｢……リヴァイさん｣
ﾘｳﾞｧｲ｢…A？｣
貴｢…おはようございます。｣
私、ちゃんと笑えてるかな？
身体中が痛くて、重くて
それに耐えるのに必死で、きっと今の私の顔は
見るに堪えない。
ﾘｳﾞｧｲ｢あ、あぁ…よく帰ってきた…っ｣
貴｢へへ…｣
リヴァイさんは今にも泣いてしまいそうな、
そんな顔で私の手を強く握る。
貴｢…私、生きてたんですね｣
ﾘｳﾞｧｲ｢あぁ。｣
貴｢でも、体、ボロボロですね…｣
ﾘｳﾞｧｲ｢…骨折と内臓出血、脳震盪だと。｣
貴｢…生きてたの、奇跡ですね…｣
ﾘｳﾞｧｲ｢…だが、お前とこうして、
また言葉を交わすことが出来て、
良かった…っ｣
リヴァイさん、こんなに窶れてるのに、
私の心配をしてくれる。
リヴァイさんのそういう所に
何度も救われてきた。
貴｢…夢で、見たんです。
"勿忘草"…｣
ﾘｳﾞｧｲ｢…？｣
貴｢…花言葉は、"私を忘れないで"｣
ﾘｳﾞｧｲ｢……忘れる訳ねぇだろ。｣
リヴァイさんならそう言ってくれると思ってた。
これで本当に思い残すことは無い。
でも、出来れば、
最後に1度でいい…
エレンとミカサとアルミン…
あと、ジャンくんに会いたかった。
貴｢…そうだ、あと1つ。
勿忘草の花言葉は、｣
ﾘｳﾞｧｲ｢…真実の愛。｣
貴｢……知ってたんですね。｣
私は、最初はリヴァイさんに対して家族愛のような物は感じていました。
でも、今は
本能の愛、
つまり、男女間における愛を感じています
でも、両方、真実の愛。
リヴァイさんじゃなきゃきっとダメだった。
長い時間を掛けて育んだ愛。
ﾘｳﾞｧｲ｢…お前、さっきからおかしいぞ。｣
貴｢リヴァイさん、私の事、愛してくれてますか…？｣
ﾘｳﾞｧｲ｢当たり前だ。｣
貴｢即答ですね。｣
リヴァイさんは私の言動に不安そうな顔で
私の目を見つめていた。
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作者名：那月 | 作成日時：2021年2月3日 0時
