ー155ー ページ21
ーAsideー
リヴァイさんに身を預けて目を瞑った。
私が、
私が一人の人を救ったんだ。
こんなにボロボロになっちゃったから
きっとリヴァイさんも心配してる。
だけど、なんだか
清々しい気分…。
友達を守るって誓いも、
リヴァイさんに心配掛けないって誓いも
両方果たせなかったけど
今はもう、これで十分だ。
そう思った途端、
意識が遠くに飛んだ。
_____________________________
目を開けると、
私は、前に夢で見た場所にいた。
足元の小さくて可愛い青い花。
結局、名前思い出せなかったな。
｢その花の名前は"勿忘草"よ。｣
貴｢！？誰？？｣
どこか懐かしい、
優しい透き通る声が聞こえた。
誰なのか聞いてみたけど、返事はない。
"勿忘草"…
前に本で読んだ。
勿忘草、花言葉は
『私を忘れないで』
そっか。
私にピッタリの花だ。
リヴァイさんには私の事忘れて欲しくないもん。
｢勿忘草にはもうひとつ花言葉があるのよ。｣
貴｢…どんな？｣
｢それは………｣
そっか。
そんな意味もあるのか。
その花言葉は、
私のリヴァイさんに対する思いそのもの。
私を救ってくれた『光』であり、
私のこの短い生涯の中でたった1人、
愛を捧げた人。
｢さぁ、そろそろ戻らないとね。｣
優しい声に導かれるように、
私は再び、
目を閉じた。
.
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作者名：那月 | 作成日時：2021年2月3日 0時
