ー150ー ページ16
ーﾘｳﾞｧｨsideー
今の声はペトラか…？
戻れと言ったのに。
でも、たしかにこの状況では戻るのは得策じゃねぇな。
1人でいる所で巨人に見つかったら数にもよるが助からないかもしれねぇ。
ペトラの影が段々と濃くなる。
貴｢ペトラさんまで来てくれていたんですね…｣
ﾘｳﾞｧｨ｢…戻れと言ったんだがな。｣
Aに本当の事を言えばこいつはきっと不安がる。
どうせ自分よりペトラの方が
釣り合うとかそういうつまらない事を言うんだろうな。
ﾍﾟﾄﾗ｢…リヴァイ兵長、さっきはすみませんでした。｣
ﾘｳﾞｧｨ｢Aもこうして無事だった。もういい。｣
ペトラは心から後悔しているようだった。
正直なところ、
一刻を争う状況だったってのにあんな事をされちゃ、
許し難いと思う。
だが、こうしてAも無事だった。
今はそれだけで十分だ。
貴｢ペトラさんもリヴァイ兵長と
来てくれたんですか？｣
ﾍﾟﾄﾗ｢え、えぇ。まぁね…。｣
貴｢危険を冒してまで…ありがとうございます。｣
ﾍﾟﾄﾗ｢いいのよ。あなたが無事で良かった。｣
Aは純粋に感謝の意を述べる。
それと反対にペトラは影を落とした表情で笑った。
状況が状況だったとは言え、部下をぞんざいに扱い過ぎた。
後になって込み上げてくる後悔の念。
帰ったらちゃんと謝るか。
貴｢…？今、そこ何か動きました…？｣
ﾘｳﾞｧｨ｢…霧のせいじゃねぇか？｣
この霧の濃さじゃどこに何があるかさえ分からねぇな。
エルヴィンのやつ、よくこんな天候で壁外調査を実行したな。
ﾘｳﾞｧｨ｢A、馬には1人で乗れるか？｣
貴｢はい、リヴァイさんのおかげで
特に傷はないですし、大丈夫です！｣
ﾍﾟﾄﾗ｢早く前の班に合流して報告しましょう。｣
ペトラの言う通りだな。
同じ場所に馬にも乗らずに長居するのは危険だ。
さっさと移動しなくちゃな。
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作者名：那月 | 作成日時：2021年2月3日 0時
