ー148ー ページ14
ーAsideー
巨人に握られて、大きい口が目の前にある。
本当に、これが私の最後なんだ。
諦めは着いたけど、やっぱり怖い。
ﾀﾋぬのってこんなに怖いんだ。
なのに、お母さんや叔母さん、叔父さんは
私のために…。
薄く目を開けると、視界が滲んだ。
巨人は少し笑ったような顔で私をゆっくりと口へ運ぶ。
貴｢っ…い、やだ…ﾀﾋにたくない…っ！｣
｢｢その汚ぇ手を今すぐ離せ…!!!!｣｣
!?
この声、リヴァイ…さん？
声が聞こえた瞬間
体に鈍い痛みが走った。
貴｢い、たい…｣
体は痛いけど、私を握っていた手は離されて
と言うか、切り落とされてる…？
私は今巨人の切り落とされた手の中にいる。
あぁ、
リヴァイさんが、
また、私を助けてくれたんだ。
気付くと、私を食べようとしていた巨人は倒れてて
返り血を浴びたリヴァイさんが
目の前に立ってた。
ﾘｳﾞｧｲ｢ってめぇ…危なかったら逃げろと
散々言ったじゃねぇか!!!!｣
貴｢ご、めんなさい…っ｣
リヴァイさん、怒ってる。
私が何もせず、巨人に食べられようとしたから。
貴｢ごめん、なさい、ごめんなさ、い…｣
ﾘｳﾞｧｲ｢ッチ、説教は帰ってからだ。｣
貴｢っは、い…｣
涙が零れ、頬を伝う。
((ギュッ))
ﾘｳﾞｧｲ｢間に合って、良かった…。
お前が無事でよかった…っ｣
貴｢リ、リヴァイさん…？｣
いつもよりキツく抱きしめるリヴァイさん。
リヴァイさんは私のことをこんなにも思っててくれたのに
私はなんてバカなことをしたんだろう…。
貴｢ごめんなさい…。｣
視界が更に滲む。
大粒の涙が頬を伝う。
リヴァイさんの優しい匂い。
ﾘｳﾞｧｲ｢許さねぇ。とりあえずここは危険だ。
早く他の班と合流するぞ。｣
ﾐｹ｢リヴァイ、すまなかった。俺の責任だ。
だから、Aを責めるな。｣
ﾘｳﾞｧｲ｢いや。俺はこいつが諦めて
食われようとしていたことに
腹を立てているんだ。｣
貴｢そうです、ミケさんのせいじゃないです…
私が戦わなかったから…。｣
ﾘｳﾞｧｲ｢…お前はもういい喋るな。｣
貴｢…はい。｣
リヴァイさんやっぱり相当怒ってる…。
とりあえず立たなきゃ。
｢｢リヴァイ兵長!!!!｣｣
？
誰だろう。
この声、女の人だよね…？？
.
.
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作者名：那月 | 作成日時：2021年2月3日 0時
