年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

◯24.Kento side ページ24

「あらっ？！ずいぶん早いのね？」


驚くリカコさんに謝って開店前だけど中に入れてもらった。


•

「あっ、あの！リカコさん！」


「なあに〜？」


「A…ちゃんの連絡先って知ってますか？」


「お！なんだなんだ若造〜Aを狙おうってか〜？(笑)」


「やめなよタクちゃん！中島くん彼女いるんだから〜」


「おっ･･･そうだったな〜！」


何事もなかったように笑うタクミさんとリカコさんを見つめる。


「俺、Aちゃんのこと好きなんです」


「「………」」


そんな沈黙を破ったのはタクミさんだった。


「ほぉーら！リカコ！口あいてっぞ！中島くんが俺たちの大事なAを好いてくれてんだから俺たちは何も言わねーよ！がんばれよ！」


「…そうよ！そうね！きゃー！嬉しいわね！タクちゃん♪A呼んでおくわね♪」


｢順番は守れよ？んなら俺のおごりだ！呑め呑め若者！」


「わっ！いただきます！！」


人ってあったかいな〜なんて思いながらあれよあれよと呑まされるうちに、俺は夢の世界に落ちて行った。


•


ふわふわな空の上。
真っさらな世界には俺が1人で佇んでいる。

Aちゃんに会いたいな･･･。


とぼとぼ雲の上を歩いていると雲の上に咲く花を愛おしそうに見ている女の子。


「Aちゃん？」


「健人！」


元気いっぱいに手を振る彼女に近づく。
Aちゃんが俺の名前を呼ぶなんて･･･これは夢だ。
夢は自由。♪


「見てみて！ここにお花がたくさん咲いてるんだ♪」


優しく微笑むAちゃんを抱き寄せる。


「やっと会えたね･･･♪」


驚いた顔の彼女の唇に、俺はそっとキスを落とした。

◯25.You side→←◯23.You side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す